【予測】今後発生するであろう地震に備える！地震による被害の現状と地震対策

過去の大規模地震による被害状況

日本では、これまで数多くの大規模地震が発生しており、甚大な被害をもたらしてきました。

例えば、1995年に発生した阪神・淡路大震災では、建物の全壊や火災による焼失家屋が多数発生し、約6,400人の尊い命が奪われました。また、2011年の東日本大震災では、地震に伴う大津波により、多くの家屋が流され、約2万人もの方が犠牲になりました。

このように、地震による被害は極めて深刻であり、建物の倒壊や火災のみならず、交通インフラやライフラインの寸断による混乱も懸念されます。経済的損失も甚大で、企業活動への影響も計り知れません。

建物や交通インフラ、ライフラインへの影響

大地震が発生すると、建物の倒壊や道路、鉄道、橋りょうなどの交通インフラが大きな被害を受けます。例えば、東日本大震災では以下のような被害がありました。

• 住宅の全壊：約12万8千棟
• 道路被害：高速道路15路線、一般国道69区間が通行止め
• 鉄道被害：約1,200箇所（4／7以降の余震で約550箇所）

また、下水道や上水道、ガス、電力などのライフラインも大規模な停止を余儀なくされ、一時は約470万戸が電力供給を受けられない事態となりました。

このように、地震による被害は建物や交通インフラ、ライフラインに甚大なものとなり、被災地の生活基盤を根底から揺るがすことになります。

人的被害と経済的損失

大規模地震が発生すると、建物の倒壊や火災などにより、多数の死傷者が発生します。例えば阪神・淡路大震災では6,432人の死者、43,792人の負傷者が出ました。また、東日本大震災では死者19,747人、行方不明者2,556人となりました。

経済的損失も甚大です。阪神・淡路大震災では約9兆6,000億円、東日本大震災では約16兆9,000億円の被害額と試算されています。さらに、地震による生産活動の停止で企業に損失が生じ、経済に大きな影響を及ぼします。

地震大国日本では、人的被害と経済的損失を最小限に抑えるため、継続的な防災対策が重要です。

出典：【国土交通白書 2021】第2節 過去の危機と変化

確率論的地震予測の活用

• 長期的な地震発生確率の評価
• 地震ハザードマップの作成と活用

リアルタイム地震情報の高度化

• 緊急地震速報システムの精度向上
• 観測網の充実と情報伝達の迅速化

耐震化と減災対策の強化

• 建築物の耐震基準の見直しと改修促進
• ライフラインの耐震化と早期復旧体制の整備

防災教育と訓練の充実

• 地域や学校での防災教育プログラムの拡充
• 実践的な避難訓練の定期的実施

地域防災力の向上

• 自主防災組織の育成と支援
• 企業や団体との連携強化

これらの取り組みにより、地震による被害を最小限に抑えることを目指しています。特に、地震発生確率の評価や緊急地震速報などの科学的知見を活用しつつ、社会全体の防災力を高めていくことが重要です。

今後はIoTやAI技術の進展により、より精度の高い地震予測と迅速な情報伝達が可能になると期待されています。同時に、個人や地域の防災意識を高め、「自助」「共助」「公助」の連携を強化することで、総合的な防災対策を推進していく必要があります。

住宅の耐震化

住宅の耐震化は、地震による被害を最小限に抑えるうえで重要な対策の一つです。特に古い木造住宅は地震に弱く、倒壊の危険性があります。そのため、耐震診断を受け、必要に応じて補強工事を行うことが求められます。

新耐震基準が適用された1981年以降に建てられた住宅は一定の耐震性能が確保されています。しかし、それ以前の旧耐震基準で建てられた住宅は、補強が必要かどうか専門家による診断を受ける必要があります。費用は自治体によって補助制度があるため、積極的に活用することをおすすめします。

耐震化工事には、耐震補強だけでなく、耐震改修や耐震リフォームなど、様々な方法があります。それぞれの住宅の構造や状態に合わせて適切な方法を選択することが重要です。

家具の固定

大きな地震が発生すると、家具が転倒・移動して被害の原因となります。特に高さのある家具や重量のある家具は注意が必要です。家具を固定することで、地震による被害を最小限に抑えることができます。

固定の方法には以下のようなものがあります。

• 家具転倒防止伸縮棒
• 家具つっぱり金具
• 家具固定金具
• 家具用滑り止めマット

固定するタイプに合わせて上手く組み合わせ、確実に固定しましょう。

また、ガラス製品は、飛散防止フィルムを貼ったり、耐震ゲルなどで固定するのも効果的です。家具の固定方法や防災用品の準備については、地域の防災センターや自治体のホームページなどで情報収集を行い、万が一に備えましょう。

防災用品の準備

地震発生時の備えとして、非常持ち出し用の防災用品を用意するのが重要です。最低限、以下のようなものが必要となります。

• 飲料水（1人3リットル／日×3日分）
• 非常食（缶詰やレトルト食品など）
• 携帯ラジオ（電池別途）
• 懐中電灯（電池別途）
• 救急セット（ガーゼ、包帯、常備薬など）

さらに簡易トイレ、衣類、寝袋なども用意するとよいでしょう。これらの防災用品は、すぐに持ち出せる場所に備蓄し、定期的にチェックして使用期限の切れたものは交換する必要があります。災害はいつ起こるかわかりませんので、日頃から準備を怠らないことが大切です。

避難経路の確認

地震発生時には、落下物や建物の倒壊などから身を守るため、迅速に避難することが重要です。そのため、日頃から最寄りの避難場所や経路を確認しておく必要があります。

避難場所は、地域によって指定されている公園や学校の校庭などが多いです。自宅や職場から最も近い避難場所を確認し、そこまでの経路を複数パターン決めておきましょう。道路が損壊していたり、がれきの影響で経路が遮断される可能性があるためです。

避難経路については、狭い路地や古い建物が多い地域は注意が必要です。また、地形的に土砂災害のおそれがある地域では、その可能性も考慮しておきましょう。

特に、高齢者や体の不自由な方がいる家庭では、スムーズな避難が難しい場合も考えられます。事前に避難経路や避難場所を共有し、必要に応じてサポート体制を整えておくことが重要です。

防災訓練の実施

災害発生時の混乱を最小限に抑えるためには、日頃から防災訓練を行うことが重要です。訓練を通して、避難経路や避難場所の確認、家族間での連絡方法や役割分担を決めておくことで、いざというときの行動に違和感がなくなります。

訓練の中で、以下の項目を確認しましょう。

• 避難場所や経路の確認
• 非常持ち出し品の確認
• 家族の落ち着き場所や連絡方法の確認
• 初期消火や救出救護の訓練

また、近隣の方や地域と連携した訓練も行うとよいでしょう。地域ぐるみの助け合いが災害時には何より心強い力になります。