地震大国である日本には、度々甚大な被害をもたらす大規模地震が発生しています。その中でも、今後30年以内に70~80%の確率で発生が予想されている南海トラフ地震は、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があるほか、それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定されているため、国民一人ひとりが備える必要があります。
こちらでは、南海トラフ地震とは何か、発生メカニズムと前兆現象、地震発生時の行動をご紹介します。
南海トラフ地震は、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界であるプレート境界で発生する巨大地震です。地球の表層を覆うプレートは、年間数センチメートルの速さで常に動いており、その境界部分ではひずみがたまり続けます。たまったひずみが限界を超えると、プレート境界面でエネルギーが解放され、地震が発生すると言われています。
南海トラフ地震は、この解放されたエネルギーの規模が非常に大きいため、巨大地震と呼ばれています。過去の発生履歴から、100年~200年の周期で発生していると考えられており、次の発生は切迫しているといえます。
過去の発生履歴を見ると、南海トラフでは100年~200年周期で大地震が発生していることがわかります。
最新の研究によれば、過去に発生した南海トラフ地震は以下のとおりです。
つまり、前回の昭和東南海地震や昭和南海地震から約80年、安政東海地震から170年が経過しており、次の地震発生の切迫性が指摘されています。
南海トラフ地震の震源域は、駿河湾から日向灘にかけての南海トラフ沿いと想定されています。その規模は、M8からM9クラスと想定されており、これは過去に発生した南海トラフ地震の規模と同等かそれ以上の規模となる可能性があります。
政府の中央防災会議の被害想定では、静岡県から宮崎県にかけての一部で最大震度7、周辺地域では震度6強から6弱の揺れが想定されています。
また、関東から九州の太平洋沿岸に最大10mを超える大津波の来襲も想定されています。
南海トラフ地震の発生メカニズムは、フィリピン海プレートが年間4~6cmの速さで西北西方向へ沈み込む運動によってひずみがたまり、最終的にはプレート境界で破壊が起こることが原因と言われています。大地震の発生サイクルは以下のとおりです。
このように、プレート運動によるひずみの蓄積と、それに伴う大地震による一時的なひずみ解消が繰り返されることで、サイクル的に大地震が発生しているのです。
南海トラフ地震発生時には、長周期の揺れが発生するリスクがあります。この長周期地震動は、一般的な地震の揺れよりも周期が長く、高層ビルなどに大きな被害を及ぼす可能性があります。
例えば、以下のような被害が想定されています。
このように長周期地震動による被害は甚大なものとなる可能性があり、事前の対策と発災時の適切な行動が重要となります。
南海トラフ地震の発生前には、地殻変動や前駆的な地震活動などの前兆現象が観測されることがあります。これらの現象は必ずしも地震発生を意味するわけではありませんが、地震発生の可能性が高まっていることを示唆する重要なサインとなる場合があります。
これらの現象を早期に発見し、分析することで、地震発生の可能性をより正確に予測し、防災対策の精度を高めることが期待されます。これらの前兆現象を早期に検知し、迅速に情報発信することで、地震発生への備えを強化し、被害を最小限に抑えることが可能となります。
南海トラフ地震の際には、強い揺れが長時間続くことが予想されます。そのため、揺れを感じたら、まずは頭を保護し、落下物からも身を守ることが重要です。
屋内にいる場合は、
屋外にいる場合は、
このように、落ち着いて行動し、身の安全を最優先することが大切です。
南海トラフ地震が発生した際には、沿岸部を中心に高さ10mを超える大津波の到来が想定されています。
そのため、地震発生時に強い揺れを感じた場合や津波警報が発令された場合には、直ちに高台や津波避難ビルなどの安全な場所に避難することが重要です。
特に以下のような場合には、迅速な避難行動が必要不可欠となります。
津波は早ければ地震発生から数分で到達する可能性があり、避難が遅れると命に関わりかねません。正確な情報を入手し、落ち着いて行動することが何より大切です。
地震発生時には、テレビやラジオ、インターネットなどのメディアから正確な情報を入手することが重要です。落ち着いて状況を確認し、安全を最優先に行動しましょう。
避難が必要な場合は、次の点に気をつけましょう。
津波のおそれがある場合は、直ちに高台などの安全な場所へ避難しましょう。それ以外の場合も、余震に十分注意を払い、落ち着いた行動をとることが大切です。
地震に対する自宅の安全性を確認することは非常に重要です。まず、お住まいの地域の地震予想震度を確認しましょう。これは、各自治体のハザードマップや防災マップで調べることができます。
次に、自宅の建物の耐震性を確認します。建築年によって耐震基準が異なるため、以下の点に注意が必要です。
自宅の耐震性を確認する方法としては、以下があります。
耐震診断では建物の構造や劣化状況を詳細に調査し、耐震性能を数値化して評価します。
耐震性が不足していると判断された場合は、耐震補強工事を検討しましょう。
一般的な耐震補強方法には壁の増設や補強、筋かいの設置、基礎の補強、屋根の軽量化などがあります。
これらの対策を行うことで、地震時の建物の安全性を高めることができます。自宅の耐震性を把握して必要な対策を講じることは、大切な家族や財産を守ることにつながります。
自宅の耐震性と併せて、予想される震度に応じた対策を立てましょう。震度5強以上では家具の転倒、落下が相次ぎ、窓ガラスが破損しやすくなります。家具固定や窓ガラス飛散防止フィルムの設置が有効です。
震度6弱以上になると建物の損壊が始まり、ブロック塀の倒壊も起こります。自宅の耐震診断・補強を行い、避難経路の安全確認をしておきましょう。
震度6強以上になると建物の倒壊リスクが高まり、地割れが発生する可能性もあります。建物の耐震補強に加え、家具の固定は必須です。非常持ち出し袋の準備も怠らないようにしましょう。
震度7では、広範囲で建物の倒壊や大規模な地滑りが起こります。日頃から避難計画を立て、地域防災訓練に参加して、いざというときの行動を確認しておきましょう。
家具固定には、L字金具や突っ張り棒などを用いて、壁や天井にしっかり固定しましょう。避難計画は家族で話し合い、複数の避難経路と集合場所を決めておくことが重要です。ハザードマップで危険な区域を確認し、安全なルートを選びましょう。
避難訓練は定期的に行うことで、とっさの行動をスムーズにできるようになります。
南海トラフ地震は、日本全土にとって深刻な脅威となっています。津波の被害や広範囲にわたる震度の想定がされ、多くの方々が適切な対策を急務としています。
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会社名 | 株式会社地震科学探査機構 |
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英語表記 | JAPAN EARTHQUAKE SCIENCE EXPLORATION AGENCY(JESEA) |
設立 | 2013年(平成25年)1月17日 |
住所(本社) | 〒107-0062 東京都港区南青山3丁目14-13 ツイン南青山201 |
事業内容 | 地震予測事業 / 情報配信事業 |
URL | https://www.jesea.co.jp/ |