東日本大震災

2011年3月11日東日本大震災

最大震度7

震源地 三陸沖

JESEA設立のきっかけとなった「東日本大震災」

東日本大震災は、日本周辺で起きた観測史上最大の地震であり、JESEAを設立する大きなきっかけとなった地震です。JESEAの共同創業者であり、「MEGA地震予測」の解析を行う村井教授は、以下のように話しています。

「私は東京大学を60歳で退官した後、『GPSデータと地震発生との相関関係』の研究を始めました。それから10年近くが経過した頃、2010年秋から2011年初めにかけて、これまで見たことのない異常なデータ(地殻変動)を目にしました。『これは大きな地震が来るかもしれない』と思いましたが、当時の私には、発信する術がありませんでした。結果、未曾有の大災害・東日本大震災が発生し、多くの尊い命が失われました。科学者として、私は悔悟の念に苛まれました。それを機に、私は“残りの人生を地震予測に懸ける”ことを決意し、JESEA設立に至りました」

JESEAの設立は2013年のため、東日本大震災の予測はしていません。しかし後世への伝承を目的に、後追い検証を実施。東日本大震災の発生前に見られた「異常変動」および「前兆現象(プレスリップ)」について、科学的に分析した結果をここに報告します。

地震の概要

発生時刻:2011年3月11日 14時46分
震源:東北地方三陸沖の太平洋(宮城県牡鹿半島沖東南東130㎞の海域。深さは24㎞、緯度38度6.2分、東経142度51.6分)
震度:宮城県栗原市で震度7、宮城・福島・茨城・栃木の4県36市町村と仙台市内の1区で震度6強を観測。マグニチュード9.0
被害:死者1万5895人、行方不明者2539人、負傷者6156人。最も被害が多かったのは宮城県で、次いで岩手県、福島県
津波浸水域:6県におよび約535平方キロと広い面積が津波により被災。家屋だけでなく、町全体を呑み込んだ津波によって生じた、がれきの総量は約600万トン

MEGA 地震予測による見解

1. JESEAが独自に調査し判明した、地震が起きたメカニズム

これまで東日本大震災の起きたメカニズムは、東北地方が乗る陸側の「北米プレート」が「太平洋プレート」に引きずられ、ひずむが発生したことが原因(プレート境界型地震)であるとされていました。しかし今回、JESEAが独自に調査をした結果、異なる見解に達しました。
JESEAは、測位衛星データの変動解析から「地体クラスタリング」と呼ばれるデータ解析を実施。日本列島がそれぞれ、均質な動きをする〝複数のミニプレートで構成されている〟ことを突き止めました。すると東日本大地震において、特に被害の甚大だった、岩手県および宮城県の海側、北上山地の近辺は、ミニプレート(以下、北上ミニプレート)の地点と重なることがわかりました。
JESEAの調査結果としては、以下の図からもわかる通り、東日本大震災は、「北上ミニプレートが東南東に大きく滑ったことが原因である」と考えられます。

●地震時に50cm以上沈降した8点と北上ミニプレート
●地震時に50cm以上沈降した8点と北上ミニプレート
地震発生時に50センチ以上沈降した地点(①〜⑧)はすべて、「北上プレート」上に位置する。
●北上ミニプレートに位置したY値プレスリップの大きかった7点
●北上ミニプレートに位置したY値プレスリップの大きかった7点
地震の3日前から起きたY値の異常低下(地震の前兆現象・プレスリップと考えられる)で3センチ以上変動した点は大きい順から、大船渡、気仙沼、志津川、女川、岩手川崎A、牡鹿、南方の7点。これらの地点を地図上にプロットすると、すべて北上ミニプレート上にあることが判明した。
●地震直前の3月1日~3月10日までの水平変動:プレスリップが現れていた
●地震直前の3月1日~3月10日までの水平変動:プレスリップが現れていた
地震の直前、東北地方全体、特に「北上ミニプレート」が大きく東南東に滑ったことで、異常なひずみが発生。その後、プレートが元に戻ろうとした反発力によって、大地震が起きたと考えられる。

2. 地震発生時、および発生後の地殻変動について

2. 地震発生時、および発生後の地殻変動について
地震発生時に地殻が変動し、陸域と海域では、隆起沈降の差が約4メートルにもおよんだことが津波の原因と推察される
大震災の発生時、陸域では、宮城県の牡鹿が東南東方向に最大5.3センチ変位。海上保安庁が設置した海底基準点の記録では、海域で最大、東南東方向に24メートルも変位していました。
また陸域では、最大1.1メートル沈降したのに対して、海域では最大3メートル隆起。この高さの変動(落差)が津波を生じさせたと考えられます。
東日本大震災直後の隆起沈降図
東日本大震災直後、東北地方を中心に、広い範囲で地盤が沈降した
宮城県の電子基準点の高さ変動
宮城県の牡鹿および女川の地盤は、特に沈降。その後、隆起に転じた
なお東日本大震災の発生時、地盤の高さについては、日本列島は一部を除いて大きく沈降しています。宮城県牡鹿が最大110センチ、次いで同県女川が85センチ沈降。その後、どちらの地域も隆起に転じています。
東日本大震災直後の水平変動
東北地方を中心に、上下(隆起沈降)だけでなく、水平方向にも地殻が変動
次に、地殻の変動を「水平方向」で見てみると、南東・東南東・東方向に大きく変位していたがわかりました。

今回、地盤が隆起沈降したエリアの広さ、その変動値から、東日本大震災がいかに凄まじい地震であったかが、データ上からも明らかになりました。

3. 地震発生の前に見られた異常変動(プレスリップ)について

2010年~2011年  宮城県の電子基準点
2010年9月、10月および2011年1月に、宮城県の地盤は大きく沈降、または隆起している
2010年の3月から2011年の3月(大震災前)までの宮城県における全電子基準点の隆起・沈降グラフを見ると、2010年9月(6ヶ月前)、10月(5ヶ月前)および2011年1月(2ヶ月前)に、一斉異常変動が起きていました。
地震直前宮城県気仙沼に現れたプレスリップ
地震発生の直前に、大地震の前兆現象である「プレスリップ(地盤の異常変動)」が起きている
地震直前に現れたプレスリップと思われる現象
気仙沼だけでなく、大船渡、気仙沼、志津川、女川でも「プレスリップ」が地震直前に発生していた
さらに詳細に日々データをチェックすると、宮城県・気仙沼の電子基準点において、地震3日前の「2011年3月8日」から、地震が起きる「2011年3月11日」までの3日間に「異常な変動」が確認できました。グラフを見ると、特にYの値が異常に低下しています。まさにこれは、大地震の直前に現れる前兆現象「プレスリップ」だと考えられます。
東北6県のプレスリップ分布
黒丸で示した7点は、「3センチ以上のプレスリップ」が発生したエリア。津波被害が甚大だった地域と重なる
さらに分析するエリアを広げ、「3センチ以上のプレスリップ」が発生した地点を確認すると、津波被害が甚大であった地域と重なりました。

村井教授のコメント

もしまた、同じような異常変動が発生した場合、その地域は「遠くない未来、大地震が発生する可能性が高い」とJESEAは考えます。そうした異常をいち早く捉えるために、JESEAは365日24時間、日本の地殻を監視し、“異常変動”や“プレスリップ”が発生していないかを確認しています。そしてその事実を広く伝えるために、アプリ「MEGA地震予測」を通して、日々発信し続けています。

東日本大震災から10年近い日が流れた現在も、「大地震の発生を防ぐ方法」は見つかっていません。しかし防ぐことはできなくても、そのときに「備える」ことはできるはずです。JESEAは今後も地震予測の研究を続け、震災によって多くの命が失われることのない未来の実現のために、予測精度の向上に邁進していきます。