執筆:村井俊治、JESEA取締役会長、東京大学名誉教授
※本稿は「MEGA地震予測」のコラムにて配信中の「村井俊治の部屋~どこかで大地震が起きる前兆とは?」をブログ用に再編したものです。
第7報:惑星直列・接近と新月が連動したら大地震が起きる
配信:2022.08.24
完全に理屈では説明できない惑星接近が地震と高い相関があることが証明されました。 それでは新月と惑星直列および惑星接近が連動したらどうなるでしょうか?
新月と惑星直列が連動したら、太陽風は猛烈な渦巻き現象を起こして大きく地球を揺さぶるに違いありません。 大地震の予測を占う占星術家になったつもりで、この特殊な天体運動の不思議に挑戦してみました。 大体10日以内に新月と惑星直列が起きるケースを天体運動のサイトから調べてみました。
検証結果からは惑星接近も惑星直列と同じように新月と連動すると大地震と高い相関がありましたので、 惑星直列および惑星接近と新月と大体5ないし10日以内で連動する年月日を調べて、 その前後に大地震が起きたかどうかを紹介します。
調べた年は2011年東日本大震災の前年の2010年1月から2013年7月までに惑星直列または同時に惑星接近が起き、 さらに新月がほぼ連動した年月日を調べて、その前後にどのような大地震が起きたか、起きなかったかを調べました。
上記の期間に世界でM7以上の大地震が起きた回数は66個でした。 一方、惑星直列、惑星接近、新月がほぼ連動したと判断できる日数は20回でした。
66個の大地震のうち惑星直列、惑星接近、新月の3連動の前後10日以内に地震が起きたのは29個で43.9%でした。 一方、20回の3連動の半月以内に大地震が起きた確率は80%でした。 3連動が起きると天体運動のサイトで調べたら、その日から前後1か月は大地震が起きると警戒し、 念のため防災の備えをした方が良いでしょう。 惑星直列・惑星接近・新月の3連動による予測は、「どこで」地震が起きるかは不明ですが、 この予測方法も決して無駄な予測ではないです。 私は他にも数多くの前兆現象から「どこで」地震が起きるかをピンポイント的に予測しています。
検証を続けている内に驚くような新事実が発見できました。 惑星直列、惑星接近、新月が3連動する時は、大地震だけでなく、火山噴火も予測できることを発見したのです。 地震と同じく「どこの」火山が噴火するかは予測できませんが、 火山の場所はあらかじめ分かっていますから地震よりずっと用心できることになります。
次回では火山噴火の予測を検証した研究成果を披露します。お楽しみに!
第8報:惑星直列・接近と新月が連動したら大地震が起きる
配信:2022.08.31
私が地震と火山噴火を関連付けて考えるようになった経緯を述べましょう。 地震を誘発するのは太陽活動の異常なじょう乱が起因であると言う推論を以前紹介しました。 秒速600kmを超す猛烈な速度の太陽風が地球を揺さぶるからだと言いました。
地球は時速約1700kmの猛烈な速度で自転しています。さらに太陽の周囲を時速10万7千kmの更に早い速度で公転しています。 地球の内部のマントルは高温・高圧の液体ですので、 自転と公転の物凄い速度による遠心力でマントルやマグマは地表に飛び出そうとします。 実際地球が大きく揺さぶられてマグマが噴き出したのが火山噴火です。
地震は噴火までに至らなくて、プレート境界などの亀裂から噴気します。 英語ではdegassingと呼ばれていて、地震学以外の学問分野ではこの噴気は科学的に認証されています。 実際地震の前に熱い放射性ガス(ラドンガスが主体)や熱い水蒸気が噴気することが 私の専門のリモートセンシングで観測されています。 ガス抜きが終わった後で高温のマントルやマグマは沈降して冷却されます。 1000度のキュリー温度以上ですと鉄の磁性はないですが、1000度以下になると鉄は磁性を取り戻します。 江戸時代に磁石にぶら下げた鉄釘が磁力を失って落下することを地震予測に使っていたと言うのは、 地震の前のこの現象を利用していたことになりますね。今の学問より遥かに先を進んでいたことになり驚きです。
惑星直列と新月が連動して火山噴火が起きた最近の事例を紹介します。2022年1月15日にトンガにある海底火山が噴火しました。 津波も起きました。1日前の1月14日は新月だけでなく、7日前の1月8日は太陽・金星・地球が直列でした。
日本の小笠原諸島の福徳岡の場海底火山が2021年8月13日に噴火しました。 8月8日は新月で、8月1日は水星と惑星直列、8月19日は火星と水星が接近しただけでなく、水星と火星も直列でした。
私は惑星直列または惑星接近のいずれかが起きた時に、1932年から2022年までの31個の火山噴火が何日以内に噴火したかを 検証しました。この時は新月の連動は調べませんでした。 惑星直列または接近のいずれかまたは両方が5日以内に噴火した事例は61.3%であり、 15日以内に噴火が起きた事例は1事例を除いた93.6%の高確率でした。推論は正しかったと感じましたね。