村井俊治の部屋

「村井俊治の部屋」太陽活動の異変が地震を起こす~前編

執筆:村井俊治、JESEA取締役会長、東京大学名誉教授

※本稿は「MEGA地震予測」のコラムにて配信中の「村井俊治の部屋~どこかで大地震が起きる前兆とは?」をブログ用に再編したものです。

第13報:太陽活動の異変が地震を起こす~その1

配信:2022.10.05

20年間地震予測の研究に打ち込んできましたが、「地震を誘発する元凶は何か?」の疑問を持ち続けてきました。 地震を起こすメカニズムは、直接地下の深い震源域を科学的に観測できる技術はないですから不明でした。 あらゆる可能性を排除しない考え方で様々な地震予測方法を研究開発に取り組んでいる内に、自分でも驚きましたが、 「地震を誘発する元凶は太陽活動の異変である」との結論に至りました。 今迄に紹介してきた「磁気嵐」、「オーロラ」、「新月、惑星直列・惑星接近」、「インフラサウンド」「異常気温上昇」などの 地震の前兆現象はすべて太陽活動の異変によって派生する現象だったのです。
太陽活動(Solar Dynamics)はアメリカの人工衛星(例えばNOAA,DSCVRやSDOなど)で常時観測されていて 私の専門領域のリモートセンシング技術です。 従来地震学をしてきた方たちはまずこれらの衛星観測データを見たことはないでしょう。 なぜなら地中深い場所で起きる地震がまさか太陽の活動の異変で誘発されるなどとは考えられないからです。
太陽活動の観測データ地震との関連が一番深い因子を様々な検証研究から把握できました。 磁場強度、太陽風密度、エレクトロンです。磁場強度は人工衛星からだけではなく、 地上でも例えば気象庁の茨城県にある柿岡地磁気観測所で観測されています。 なんと柿岡の地磁気の強度も太平洋上に打ち上げられているアメリカの静止衛星から観測された磁場強度も 殆ど同じ挙動を示すことに驚きました。つまり磁気に関してはローカル性がなくグローバルな現象だったのです。 北海道の女満別、九州の鹿屋、父島での観測でもほぼ同じ挙動でした。太陽活動の異変の一つですからグローバルなのです。
そこで衛星から観測された磁場強度、太陽風密度、エレクトロンに柿岡の地磁気の4因子と地震との生起確率検証を実行しました。 M7クラスの世界で起きた30個以上の大地震の1か月前までに4因子の内3因子以上がいき値を超える異常を示したか否かを検証しました。 生起確率は95%以上でしたので「見逃し」は殆どないことが分かりました。
一方100回以上の太陽活動の異変が起きた1か月後以内にM6以上あるいはM7以上の地震が起きていたかの生起確率を検証しました。 M6以上の地震では97%の生起確率でしたので「空振り」は殆どないと言えます。M7以上の地震の場合には70%でした。
太陽活動の異変を活用すれば、世界の「どこか」で大地震が起きるかを予測できます。 正確な「どこで」を確定するには他の前兆現象を利用して予測しますが、 太陽活動の異変を利用することで予測の精度が飛躍的に向上します。

第14報:太陽活動の異変が地震を起こす~その2

配信:2022.10.12

実際に起きた太陽活動異変と実際に起きた大地震の事例を示さなければ、会員の方は信用できないでしょうから、 最近の事例紹介をしましょう。
今年の8月17日に衛星磁場強度、太陽風密度、エレクトロン、柿岡の地磁気の4因子すべてにいき値を超える異変が起きました。 果たして8月17日から1か月後の9月17日までに大地震が起きたのでしょうか?
大地震がなかなか起きなかったので、多少心配でしたが、検証研究の成果を信じて待ちました。 なかなか地震が起きない場合はより大きな地震が起きるケースが多いので根気よく待ちました。
18日後の9月4日に大西洋南東沖でM6.9地震、25日後の9月11日にパプアニューギニアでM7.6地震、 28日後の9月14日に南太平洋ロイヤリテイ諸島でM7.0地震の大地震が起きました。
私が地震予測を始めたのは、東日本大震災のような大地震で多数の犠牲者が出たことにショックを受けて、 地震予測をすることで「人の命を救う」ことを使命にしたからです。犠牲者が出るような大地震は決して見逃してはいけないです。 当時は太陽活動の異変が大地震を起こすことは知らなかったですから、1か月以内に大地震が起きるなどと予測は出来ませんでした。
今の私なら、場所は別の方法で割り出すとして、大地震の到来かどうかは予測できます。 2011年3月11日に起きた東日本大震災(M9.0)21日前の2月18日と10日前の3月1日の2回太陽活動の異変が起きていました。
2016年4月16日に起きた熊本地震(M7.3)の36日前の3月11日と、9日前の4月7日の2回太陽活動の異変が起きていました。 大きな地震の前には複数回異変が起きるケースがあります。
最近起きた大きな地震であった2022年3月16日に起きた福島県沖地震(M7.4)の33日前の2月11日と3日前の3月13日2回 太陽活動の異変が起きていました。 福島県沖地震では3人が死亡、247人が負傷し、山形新幹線が脱線し、一部地域で停電と断水がありました。
世界的には2004年12月26日に起きたインドネシアのスマトラの大地震(M9.1)の場合どうだったのでしょうか?
21日前の12月5日と15日前の12月11日の2回太陽活動の異変が起きていました。 私がタイのバンコク郊外にあるアジア工科大学(AIT)で派遣教授として勤務していた時の秘書の家族6人が タイ南部のカオラックで津波の犠牲になったこともあり、現地視察をしました。 丘陵地で果樹栽培をしていた秘書の伯父さんが翌日果樹園で見た光景は津波で犠牲になった方の死体が累々だったと言っていました。
地震予測は絶対しなければいけません。

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