Opinion

地震や災害 帰宅困難者になったら?

JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。

今回は、地震や災害に遭ったときに
帰宅困難となった場合に
どのようなことが発生するか
どこに避難・滞在すればよいか
帰宅困難者に対しての支援などを説明します。

帰宅困難になったら 3日間は「帰らない」

東京都の発行した『東京防災』によると
首都直下地震の被害想定では
都内で最大約453万人が帰宅困難となると予想されています。

これは東京都人口の約半分であり、
大地震が発生した状況によっては
東京都民の約2人に1人が帰宅困難になる計算です。
首都圏全体では約800万人もの帰宅困難者が出ると想定されています。

帰宅困難者については、
まず地震発生から3日間は「帰らない」ことが推奨されています。
帰宅困難者が一定期間、安全な場所で待機することを
「一斉帰宅抑制」と呼び、この実施を基本原則としています。

「すぐに帰らない」ことを推奨しているのは
主にふたつの理由があります。

・救急車、消防車など緊急車両の通行を妨げないため
・余震による災害や、
混雑により発生する「群衆雪崩」に巻き込まれないため

自宅ではない場所で災害が発生した場合は
3日間は自宅に帰らず待機することを念頭に置き、
対策を整える必要があります。

具体的には下記の対策が考えられます。

・家族や親戚との連絡方法を決めておく
・職場等に「歩きやすい靴」「防寒具」「モバイルバッテリー」など
災害発生から4日目以降、帰宅するために必要な物資を用意しておく

災害発生後、3日間は帰宅せず
4日目以降に徒歩で帰宅するのか、
それとも交通が復活するまで帰宅を断念するのか等

「実際に被災したら?」という想定で、
ご自分の状況にあった対策を整えることが重要です。

職場・学校で帰宅困難になった場合

では、実際に災害が発生し
「帰らずに待機」する場合、どのような場所で過ごすことになるのでしょうか。

通学、通勤などで「学校」または「職場」に居る場合、
そして火災や建物の倒壊などの危険がない場合は
3日間はその場に留まることが推奨されます。

たとえば東京都では、事業者に対し
災害に備え、従業員用に3日間の備蓄をするよう呼び掛けています。

そのため、普段から社内の備蓄がどこにあるのか
何が備蓄されているのか等を確認しておきましょう。

3日間は職場・学校にとどまり、施設内の備蓄で生活することになります。

社員ごとにロッカー等が整備されている場合は
各自準備が必要な「薬」や「身分証のコピー」
「モバイルバッテリー」や「予備のメガネ」等を
備えておくことをおすすめします。

4日目以降に徒歩帰宅する場合は、上記に加え
歩きやすい靴や、防寒着、雨具の用意もあると安心です。
職場から自宅まで徒歩で帰宅するルートについても
安全なものをいくつか調べておき、
プリントアウトして保存しておくと便利です。

買い物等の外出先で帰宅困難になった場合

東京都の想定では、
買い物・行楽等の理由で訪れた場所で災害に巻き込まれ、
帰宅困難となる人が約66万人になると推定されています。

こうした場合、どこに避難すればよいのでしょうか。

まずは駅や集客施設など、安全な場所で待機します。
都の避難訓練などでは「駅」が避難先として
指定されることが多いようです。

帰宅困難者を一時的に受け入れる
「一時滞在施設」が開設されるまでは、
駅などで待機することになります。

「一時滞在施設」開設後は、
開設された施設に移動し、3日間は帰宅せず待機します。

「一時滞在施設」には食料や水・毛布などの備蓄があるため
もし買い物などで立ち寄ることが多い場所であれば
一時滞在施設として指定されている場所を
一度は確認してみることをおすすめします。

東京都においては
東京都防災アプリの「防災マップ」が便利です。
一次滞在施設や災害時帰宅ステーションの場所を
確認することができます。

都や区市町村のウェブサイト、
X(旧Twitter)などでも発信されている場合があります。
一度ご自身のお住いの地域や
職場・学校のある地域の情報を確認し、
施設の位置などを把握しておくと安心です。

帰宅困難になったら 4日目以降の帰宅

災害が発生してから4日目以降は、
状況に応じて自宅に帰ることができます。

ただ、災害時の被害によって路面が損傷していたり
時間帯や地域によっては
帰宅困難者が殺到することも考えられます。

「自宅に帰る」という選択をする場合は
二次災害や混雑に巻き込まれないよう
充分注意し、焦らずに行動することが大切です。

徒歩での帰宅を試みる人を支援するため、
原則、災害から4日目以降に
「災害時帰宅支援ステーション」が開設される場合があります。

こちらは主にコンビニエンスストアや
ファミリーレストラン、ガソリンスタンド、都立高校等が
徒歩帰宅者の帰宅支援のため
水道水やトイレを提供していることがあります。

実際の被害状況等により開設状況は変動するため、
災害時にすべてのステーションが
開設されるわけではありませんが、
災害時に徒歩で帰宅する可能性がある場合は
こうした施設の利用も検討しましょう。

また、帰宅困難に陥った場合に備え
家族に安否連絡をする方法を整えておきましょう。

災害時伝言板の利用のほか、
災害時には共通の知人・親戚に連絡し
互いに安否を確認する方法もあります。

どんな手段を選ぶにせよ、
事前に話し合い、離れた場所で被災した場合にも
互いの安否を確認できる状況にしておくことが大切です。

安否が確認できれば、
災害直後に無理して帰宅を焦る必要はなくなり
帰宅が遅れる場合でも、
自宅に残った家族が、帰宅困難者を待つことが出来ます。

東日本大震災でも大きな問題となった帰宅困難者。
自分も帰宅困難になる可能性がある、
ということを念頭に置いて
「3日間は帰らない」ことで身の安全を守れるよう
準備を整えておくことをおすすめします。

次回以降も災害からの避難に役立つ情報をお届けしていく予定です。

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