Opinion

地震や災害 車中泊や車での避難 注意点は?

JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。

今回は、地震や災害に遭ったときに
避難所として車を使用する車中泊や
車での避難について、注意点や
メリット・デメリットをまとめました。

災害時の車中泊避難 過去の事例や選ばれる理由

2018年に行われた内閣府の調査によると、
避難所の数は人口に対して不足している傾向であることがわかっています。

たとえば東京都の場合、
指定避難所は都内で 2,780 ヶ所、収容人数は約 362 万人。
東京都の人口は1,400万人なので、
計算上は人口の約25%が避難所に収容可能ということになります。

つまり東京都だけで考えても、人口の3/4は避難所ではなく
自宅や友人・親戚の家、または車などでの避難生活を行うことになります。

実際に、2016年の熊本地震では
自宅に被害の無かった避難者の約6割が
長く続く余震への不安やプライバシーの観点から、
車中泊での避難生活を送っていたというデータもあります。

災害が起きた時、避難所が満員となっていたり
子供や要介助者がいることで周囲の避難者に対し気を遣う、
といった理由から車中泊を選ぶケースもあります。

近年では感染症対策の観点からも注目されるようになった車中泊。
実際に災害が起きた際に、
避難方法として選ぶ可能性がある場合には
車中泊のメリットとデメリットを把握し
事前の準備を行うことが重要となります。

災害時避難における車中泊のメリット・デメリット

車中泊のメリットは主に
・避難所での感染症リスクを回避しやすい
・プライバシーを確保しやすい
・子供や要介助者がいても周囲への影響が少ない
・貴重品の管理がしやすい

デメリットは主に
・「エコノミークラス症候群」のリスクがある
・冬は「一酸化炭素中毒」のリスクがある
・夏は「熱中症」のリスクがある

特に冬の車中泊では
マフラーに雪が詰まる等で車内に排気ガスが溜まると
一酸化炭素中毒により死亡するケースもあります。
また、万全に対策をしなければ野外同様の寒さに襲われるため
厳冬期は凍死の可能性も視野に入れ、防寒対策を入念に行う必要があります。

夏は車内が非常に暑くなるため熱中症のリスクが高まります。
熱中症対策にくわえ虫よけ対策も必要になるため、
夏・冬に避難する場合に備えた事前準備は必要です。

車中泊避難を行うための準備

では具体的に、災害時の避難で車中泊を選ぶ場合は
どのような準備が必要になるのでしょうか。

まず第一に、避難できる人数の把握です。
おおよその目安として、
車1台に対し大人2名が寝泊まり可能です。

5人乗りの乗用車であれば
5人車中泊できると思われがちですが、
車中泊ではシートを倒したり
後部座席を連結する等して使用するため、
シートの数よりも少ない人数での利用が推奨されます。

大人3名以上で車中泊を検討するなら
2台以上に分乗するか、
車中泊をする人と、避難所やテントを利用する人で
分散する形で使用するのが現実的です。

次に、温度管理対策です。
災害時、車中泊での避難生活を送る可能性が高い、
と事前にわかったのであれば、
車の中に車中泊用の物品を備えておくことをおすすめします。

夏の避難にそなえた断熱シートや蚊帳
冬の避難にそなえた防寒グッズを車内に備え、
いざというときのために
普段から「燃料は満タン」を心掛けておくと安心です。

エアコンや車内電源を使用するためにも
燃料は消費されるからです。

また、発生した災害の内容によっては
車中泊がおすすめできない場合もあります。

水害や土砂崩れの場合は、
車を停めた位置によっては車ごと土砂に押し流されたり、
水害に巻き込まれる可能性があるためです。

そのため、「水害が発生した場合は車中泊はしない」
「地震の場合は車中泊を選ぶ」等、
ご自分の状況や災害、地域の特徴にあわせて
災害発生時の動きを細かく決めておくことがおすすめです。

その際、車中泊での避難を選択する場合は
車での避難を受け入れている避難所が近隣にあるかどうか、
それがない場合どこに停車するか等もふくめて検討しておくと
いざ災害にまきこまれたときに、迅速に行動することが出来ます。

車中泊で停車する場所は、以下が望ましいとされています。
・傾斜地を避ける
・明かりや人通り、近くにトイレがある場所
・マフラーが壁や草で塞がれない場所

停車時にはエンジンはストップし、ドアはロックしましょう。
また、人通りが多い場所を選ぶのは防犯対策を考えてのことです。
災害時にも車上荒らし等の被害が発生する可能性は十分にあるので、
車中泊をする場合も可能な限りひとりでの避難は避け
複数人で行動するか、防犯対策も同時に検討するなど
充分に対策を行うことをおすすめします。

車中泊避難を行うかどうかは、
実際に1~2日ほど、キャンプのような形で
車中泊を体験してみることでより判断しやすくなります。

「やはり寒いからポータブル電源を導入して電気暖房を使おう」
「シートで眠りづらかったので、対策を検討しよう」など、
実際に体験してから、必要なものが判明するケースが多いです。

普段から災害にそなえるため、
災害が起こる前に一度、車中泊体験をすることをおすすめします。

今回は災害時の避難方法として
過去に多くの方が体験した「車中泊」について説明しました。

次回以降も災害からの避難に役立つ情報をお届けしていく予定です。

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