Opinion

地震や災害への備えチェックリスト:通電火災の対策

JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。

今回は、地震に伴って発生する
通電火災について説明します。

また、過去の大地震で多くの被害が生じている
「地震に伴って発生する通電火災」について
火災を防ぐ方法や、
初期消火の際の注意点などをご紹介します。

通電火災の原因と対策

通電火災とは、
地震によって生じた停電が復旧した際に
発生する火災のことを指します。

火災が発生する原因は数多くありますが、
主に下記のケースが多いとされています。

・電気ストーブや電気コンロなど
「通電によって高温になる家電」に通電し
付近の可燃物に引火する

・破損した電気プラグに通電した際に
周囲にガス漏れが発生していた場合
飛び散った火花がガスに引火する

・地震によって損傷したコンセントや
断線した家電のコードに通電した結果、
大きく発熱し、付近の可燃物に引火する

また、通電火災は「電気が復旧したタイミング」で発生するため
地震発生から数日経って発生する、という特徴があります。

阪神淡路大震災では
最長で8日後に火災が発生しました。
地震のゆれによる被害が収まったとしても、
通電火災の危険を考慮し、
注意を怠らないことが大切です。

特に都心の一部など
木造住宅が密集している地域では
通電火災で生じた火事が延焼し
大きな被害をもたらす危険性もあります。

通電火災を防ぐ方法(対処法)

通電火災の発生を防ぐ方法には
主に以下の3つがあります。

・地震の揺れがおさまったら
家電や電気器具のスイッチを切り
コンセントを抜いておくこと

・自宅から離れる場合は分電盤のブレーカーを切ること

・地震直後に、電気器具から火が出た場合は
ブレーカーを切ってから消火器を使用すること

※ただし、消火器の種類によっては
電化製品からの出火には向かないものがあります。
事前に消火器の取扱い説明や
注意書きを確認し、問題ない場合にのみ使用してください。

消火器の適応火災表示(どの火災に使えるか)は
消火器のラベルに記載があります。
「普通火災用」「油火災用」「電気火災用」の3種類のラベルがあり
「電気火災用」のラベルが貼られていれば
通電火災など、電気が原因の火災に対し有効な消火が可能です。

上記の中でも特に大切なのは
「家電のスイッチを切り、コンセントを抜く」ことです。

電化製品のコンセントやコード、
電源プラグなどは
損傷したまま電気が流れてしまうと
大きく発熱し客家の原因となります。

そのため、
地震の揺れがおさまり、周囲の安全を確認したら
電気が復旧するまでの間に
必ずすべてのコードやプラグをコンセントから抜き
分電盤のブレーカーを落とすようにしましょう。

屋外に避難する際は
出入り口の扉を閉めることが推奨されています。
万が一、不在の間に通電火災が発生したとしても
延焼速度を遅らせることができるからです。

また、電気がなく暗いからといって
むやみにライターなどを使用し光源を確保しようとすると
ガス漏れが発生していた場合、引火するおそれがあります。
地震発生直後、火を使用する前には十分に安全確認を行いましょう。

もし電気が復旧した後に
電気を使う場合は、下記の安全確認が必要です。

・ガス漏れがないか
・使用する電化製品は損傷していないか
・ブレーカーを上げた後、焦げたにおいがしないか

特に最後の項目である「焦げたにおい」は
電気復旧後、家のどこかで通電火災が発生しているかどうか
判別するための重要な指標となります。

焦げたにおいが発生していて、
原因が特定できない(見えない場所からにおいがする)場合は
通電火災が発生している可能性があります。
そのような場合はただちにブレーカーを上げ、
電気の使用をやめることが大切です。

その後周囲をよく観察し
「電気ストーブが倒れていた」
「壊れたプラグがコンセントに刺さっていた」など
原因を見つけ、解消することができた場合にのみ
電気を使うようにすると安心です。

通電火災を防ぐためには
電気が復旧しても、すぐにブレーカーをあげないことや
安全が確認できるまではブレーカーを落としたままにしておき
自宅内の家電の位置や可燃物の除去を行うことが有効です。

通電火災が起こってしまったら? 初期消火の方法

もし通電火災が起こった場合の対処法を
いくつかご紹介します。

まず、火が発生した・火を使っている場合でも
火の始末は「揺れが収まってから」行いましょう。

特にキッチンは、地震で揺れが発生している間
家の中で最も危険な場所だと言われています。
揺れを感じたら、キッチンから離れることが重要です。

揺れが大きくなる前にと
ガスコンロの火を無理に消そうとして
怪我をするケースもあります。

まだ揺れが小さい・すぐ操作すれば消すことができるケースを除き
キッチンで火を使用中であっても
無理に火を消すのではなく、
第一に揺れから身を守ることを優先することが推奨されています。

揺れが収まってから周囲を確認し、
もし出火していれば初期消火を行います。
初期消火には、消火器を使用します。

通電が原因の火災である場合は、安易に水をかけることは避けてください。
通電が原因とはっきりわかっている場合は
まずブレーカーを切り、消火には消火器を使用します。

この際も、初期消火が可能なケースは
「天井に届かないくらいの火の大きさ」とされています。

目安としては出火から1分~2分が
初期消火が可能な時間とされているため
火が天井まで届くほど大きくなっている場合は
避難を優先する必要があります。

初期消火を適切に行うためにも
地震が起こる前から、
自宅に準備した消火器の使い方や
設置場所の確認を行い
万が一、通電火災が発生しても対処できるよう
備えておくと安心です。

次回以降も、防災や避難に役立つ情報をお届けしていきます。

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