Opinion

能登半島(石川県)の地震 過去の被害や対策

JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。

日本は地震大国であり、
過去に何度か同じ場所で
大きな規模の地震が発生している地域もあります。

今回は、過去に発生した
能登半島(石川県)を震源とする地震について
被害の例や避難に関する情報をまとめました。

能登半島・地震の特徴

能登半島(石川県)においては
過去たびたび規模の大きな(M6クラス)地震が発生しています。
石川県に被害をもたらした地震の特徴は以下の通りです。

  • 陸域かつ浅い場所を震源とする地震が多いこと
  • 能登半島沖(日本海沖)を震源とする
    地震も発生しており、津波の被害もあること
  • 液状化現象の発生する地域があること

地震調査研究推進本部(地震本部)が作成した
石川県の地震活動の特徴をまとめた資料によると
石川県に被害を及ぼしてきた地震は
主に陸域の浅い場所で発生しています。

石川県には金沢市から加賀市付近にかけて
大きな規模(M6クラス)の地震が
過去たびたび発生してきました。

上記地域のほか、能登半島沖をはじめとした
日本海沖合を震源とする地震では
津波も発生しているため、
沿岸地域や海に近い場所では
津波にも注意が必要です。

能登半島(石川県)の地震で
もうひとつ特徴的なのは、液状化現象です。

2024年1月1日に発生した
「令和6年能登半島地震」をふくめ14回ですが
そのうち9回は「液状化現象」も発生しています。

今回は、過去に液状化現象が発生した地域で
どのような被害があったかについても
説明していきます。

能登半島地震での液状化現象

過去に液状化現象が確認された地震は以下の通りです。

・1799年6月29日:能登・佐渡で発生した地震(最大震度6)
金沢市、内灘町で液状化履歴あり

・1891年10月28日:濃尾地震(最大震度5)
・1930 年 10 月 17 日:大聖寺付近で発生した地震(最大震度6)
金沢市から加賀市の海岸付近で液状化履歴あり

・1933 年 11 月 21 日:能登半島で発生した地震(最大震度5)
能登島を含む七尾湾沿岸部で液状化が発生

・1948 年 6 月 28 日:福井地震(最大震度6)
・1952 年 3 月 7 日:大聖寺沖地震(最大震度5)
・1993 年 2 月 7 日:能登半島沖地震(最大震度5)
珠洲市の海岸付近で液状化

・2007 年 3 月 25 日:平成 19 年能登半島地震(最大震度6強)
志賀町、輪島市、珠洲市、穴水町、七尾市の
主に湾岸埋立地と河川流域の低地部において液状化

・2024年1月1日:令和6年能登半島地震(最大震度7)
石川県・富山県・新潟県、日本海沿岸部の広いエリアで液状化。
地震の規模が大きく、長周期地震動とよばれる
大きく長期間の揺れが
遠くまでエネルギーを失わずに伝わる震動だったことから
非常に広いエリアで液状化が発生

液状化現象によって発生した被害は
構造物の沈下、マンホールの浮き上がり、
地盤の側方流動による建築物の変状が確認されています。

側方流動とは、河川広域で液状化が生じた際
河川側に地盤全体が大きく横に移動する現象のこと。
河川の付近では特に注意が必要となっています。

上記の通り、
石川県が被害を受けた
震度の大きな(5以上)地震では
液状化現象が発生しています。

なお、防災科学技術研究所の調査によると
2024年1月に発生した
令和6年能登半島沖地震では
石川、富山、福井、新潟の
4県32市町村の計2,000か所以上で液状化被害が確認されています。

令和6年能登半島沖地震で液状化の被害が発生した場所は
過去に大きな地震で液状化が発生した場所も含まれており
「再液状化」が生じたとみられています。

液状化現象は、特に砂地、
地中の水分量が多い場所で起こりやすい現象ですが
令和6年能登半島地震において液状化被害が大きかった地形は
砂丘や堤間湿地、河道を造成した人工地盤でした。

過去に液状化が起きたとされる場所や
河川近くの砂地、海岸付近の砂地付近は
液状化する可能性があるため、
液状化被害への対策や備えが必要です。

能登半島 過去の大地震

石川県に被害を及ぼした主な地震には
下記のような例があります。

・1729 年 8 月 1 日:能登・佐渡
珠洲郡、鳳至郡で死者 5 名、家屋全壊・損壊 791 棟、
輪島村で家屋全壊 28 棟、能登半島先端で被害が大きい。
液状化:記録なし 最大震度:不明

・1799 年 6 月 29 日:加賀
金沢城下で家屋全壊 26 棟、能美・石川・河北郡で家屋全壊 964棟、死者 21 名。
液状化:履歴あり 震度:6

・1833 年 12 月 7 日:羽前・羽後・越後・佐渡
死者 47 名、液状化記録なし、最大震度不明

・1891 年 10 月 28 日 濃尾地震
家屋全壊 25 棟、液状化履歴あり、最大震度5

・1892 年 12 月 9 日:能登半島
羽咋郡高浜町・火打谷村で家屋損壊あり。
堀松村末吉で死者 11名、負傷者 5 名、家屋全壊 2 棟。
液状化記録なし、最大震度不明

・1930 年 10 月 17 日:大聖寺付近
小松町等で噴水、液状化履歴あり、震度6

・1933 年 11 月 21 日:能登半島
死者 3 名、負傷者 55 名、住宅全壊 2 棟
液状化履歴あり、最大震度5

・1944 年 12 月 7 日:東南海地震
住宅全壊 3 棟、液状化記録なし、最大震度4

・1948 年 6 月 28 日:福井地震
死者 41 名、負傷者 453 名、家屋全壊 802 棟
液状化履歴あり、最大震度6

・1952 年 3 月 7 日:大聖寺沖地震
死者 7 名、負傷者 8 名、液状化履歴あり、震度5

・1961 年 8 月 19 日:北濃尾地震
死者 4 名、負傷者 7 名、液状化記録なし、震度4

・1993 年 2 月 7 日:能登半島沖地震
負傷者 29 名、住宅全半壊 21 棟、液状化履歴あり、震度5

・2007 年 3 月 25 日:平成 19 年能登半島地震
死者 1 名、負傷者 338 名、家屋全壊 684 棟
液状化履歴あり、震度6 強

能登半島で発生する地震のまとめ

上記でまとめた通り、過去に何度か同じ地域で地震が発生している場合は
過去の被害状況や震域などから
今後起きた場合にどのような被害が想定されるかを考え
日ごろから、地震が起きた時のための準備を整えておくことが重要です。

特に石川県(能登半島)の地震では
地表に近い部分で起こる地震、津波への対策、
液状化への備えが必要となる場合があります。

ご自身がお住いの地域で
過去に地震が起きた時、どういった被害が出たのか
どこまで揺れが広がったのかを把握し
防災に役立てることをおすすめします。

今回は、
石川県(能登半島)を震源とする地震について説明しました。
次回も防災に役立つ情報をお届けしていきます。

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