今年は関東大震災の発生から100年を迎える節目の年です。
これから先、いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、
前回に引き続き「避難」の際に注意すべきポイントについて説明します。
今回は地震が発生したときに
在宅避難を選ぶなら考えておきたいことや
注意が必要なことについて説明します。
避難するか・しないか 在宅避難の判断と方法
大きな地震が発生した場合、
まずは身の安全を確保すべきであることは
前回の記事(https://jesea.co.jp/blog/53-2/)で述べたとおりです。
身の安全を確保したあとは、
避難所への避難が必要かどうかを判断する必要があります。
判断するポイントは主に以下の2点です。
①自宅や周囲に危険があるか
第一に、自宅や周囲に、倒壊や火災の危険がないか確認する必要があります。
自宅や周囲の建物が倒壊していたり、倒壊する危険がある
火災に巻き込まれる可能性が高い場合は避難所への避難が必要です。
また海岸や河川の近くであったり、
土砂崩れの可能性がある斜面に近い場合や
自宅から外に避難するための道がひとつしかない場合も
時間が経ってから土砂災害にまきこまれたり
道がふさがり行動できなくなる可能性もあるため
避難所への避難を検討する必要があるでしょう。
②避難時に支援を必要とするか
自宅の水道管やガス設備が損傷している等、
復旧に時間がかかりそうな場合は避難所への避難を検討する必要があります。
各設備に問題がなくても
生活をする際に周囲のサポートを要する場合は
行政の支援を比較的受けやすい避難所への避難を
視野に入れて行動することも必要です。
水道管等に問題がなく、
ライフラインが復旧すれば自宅で生活ができそうであれば
在宅で避難生活を送ることも考慮に入れてよいでしょう。
また、在宅避難・避難所での避難にはそれぞれ特徴があるため
ご自身やご家族の状態にあわせ、
「自宅が無事なら在宅避難を選ぶかどうか」は
災害発生前に意志決定しておくと避難行動がスムーズに行えます。
在宅避難と避難所 特徴は?
在宅避難と避難所への避難について、それぞれの特徴をまとめました。
被災時、すぐに避難行動に移るためにも
各特徴を考慮し、ご自身にあった避難を行えるよう備えてみてください。
▼在宅避難
・プライバシーを守ることが出来る
・乳幼児や幼児など周囲に配慮が必要な場合でも
比較的負担なく生活できる
・避難所での感染症リスクや
盗難、犯罪に巻き込まれるリスクを軽減
・ペットと一緒に生活できる
・空き巣対策になる(家を留守にするリスクを軽減)
・自分に合った温度で生活ができる
※特に大きな避難所では温度調節が困難
▼避難所での避難
・物資(食料・必需品)が入手しやすい
・支援を受けやすく、行政支援の情報も把握しやすい
・建物や周囲の安全が比較的保障されている
ただし、過去の大きな災害時でも生じた問題として
「避難所不足」があります。
特に都心部など、人口密集地帯では避難所から人があふれる事態となったり
人口が少ない地域では、避難所の数自体が少なく
避難所までの移動距離が長い場合もあります。
まずはご自宅周辺の避難所がどこにあるかを確認し、
移動経路を把握しておくと
災害時、避難所への移動が必要になった場合も
スムーズに移動ができて安心です。
避難用の物資を選ぶ際にも、
万が一避難所への移動が必要になった場合を考慮して
避難所まで徒歩で持ち運べる量にとどめることで
より安全に避難することが可能になります。
在宅避難に必要なもの 量や目安は
では、在宅避難を選んだ場合
必要な物資の量はどの程度なのでしょうか。
一般には「一週間分」の備蓄を用意してください、
とされていますが、
この量は「支援物資が届くまで生活するための量」となります。
支援物資や給水車による支援が
外部から届くまでの間、
電気やガス・水道がなくても暮らしていくために必要なもの
というイメージをしっかりもって用意すると、
ご自身やご家族の状況に応じて
必要なものが把握しやすくなります。
なお過去の災害時に、
ライフラインが止まってから復旧までに
かかった日数をまとめると、
電気だけは早めに(3日~7日)復旧しますが
水道・ガスの復旧には数週間~数か月かかることが多いです。
水は避難所での配布や給水が始まった場合
早めにとりにいけるよう
給水パック等を準備しておくと安心です。
またガスはかなり長期間復旧しないことが多いため
ガスを使用する非常食は避け、
入浴機会も普段より格段に減ることを意識して
衛生用品も用意しておくと安心です。
来週以降、避難グッズや備蓄として
過去の災害の体験記などをもとに
何を用意すべきなのか、説明したいと思います。