中国・四国地方はこの先、どのように動くか――村井俊治 東京大学名誉教授が語る地震予測

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2020.02.07

日本は、8つのミニプレートに分けられます。 そして、地震は「断層」、つまり「線」が動くことで起こるのではなく、或る「塊」、つまり「ミニプレート」が動くことでその境界部にひずみが溜まり発生するのではないか…という仮説を立てるに至りました。それが、JESEA地震科学探査機構が提唱する「ミニプレート理論」です。今回は、ミニプレート理論で見る【中国・四国地方】の動向について、お伝えします。

四国と南海トラフ地震

四国について、新聞やテレビなどでは「南海トラフ地震がいまにも起きる」かのように報道されることがあります。

ちなみに南海トラフ地震とは、東海・東南海・南海エリアで起こることが想定される最大クラスの地震のことで、発生すれば、神奈川県から宮崎県にかけての一部で、震度7の大きな地震が起きるといわれています。

JESEA地震科学探査機構では、リモートセンシングおよび測量工学を駆使して、地表などの変動を監視し、得られたデータと地震発生の相関分析をすることで、地震予測を行なっています。南海トラフ地震においても、陸域に異常変動が現れれば、揺れる場所の予測は可能だと考えています。

ミニプレートで見る「中国・四国地方」

まず、中国・四国地方で東日本大震災(2011年3月)以降に起きた、最大震度5弱以上の地震を振り返ってみましょう。

2011年11月21日に発生した広島県北部地震(M5.4、最大震度5弱)、2014年3月14日に発生した伊予灘地震(M6.2、最大震度5強)、2016年10月21日に発生した鳥取県中部地震(M6.6、最大震度6弱)、2018年4月9日に発生した島根県西部地震(M6.1、最大震度5強)と、中国・四国地方では、大きな地震がほぼ2年ごとに起きています。

中国・四国地方で発生した最大震度5弱の地震を、ミニプレート上に重ねると、広島県北部地震、鳥取県中部地震および島根県西部地震は、それぞれミニプレート④または⑤で起きていることがわかります。

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中国・四国地方で2011年以降に起きた最大震度5弱以上の地震とミニプレート

一方で、伊予灘地震の震源は海域ですが、ミニプレート①と④の境界であると解釈できます。つまり、中国地方の地震と四国の地震では、変動するミニプレートは異なると考えられるのです。

地表の変動で見る「中国・四国地方」

地表は絶えず動き続けています。しかし大きな地震の前には、その前兆と思われる“異常変動”があります。

中国・四国地方では、島根県西部地震(2018年4月)以降、高さ方向の異常変動はそれほど多く見られていません。一方で、水平方向の変動を見てみると、2018年7月初めは南東方向の水平変動が主流を占めますが、2018年9月初めは「北または北東方向」の水平変動が多く占めます。この期間、水平変動の動きが従来とは逆方向に転じるケースが増えていました。

またJESEA地震科学探査機構が調査したところ、四国(特に東部)で高さ方向の異常が多く、鳥取県および島根県は水平方向の異常が多いことがわかっています。地震は非常に複雑な現象ですから、高さ方向と水平方向、どちらであっても、異常が見られた場合には、いずれ地震となって現れる可能性が高いと、JESEA地震科学探査機構では考えています。

ミニプレートの境界は、「注意が必要」

四国については、ミニプレートとの関連で、高さ方向の変動について、長期的な傾向を知っておくことも重要です。

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四国地方のミニプレートと、高さ方向の変動を調査する電子基準点10箇所

四国は北からミニプレート④、①、②、③の4つのミニプレートで構成されています。JESEA地震科学探査機構では、各ミニプレートの高さ方向の変動を調査しました。

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中国地方の9年間の高さ方向の変動(2010年〜2018年)

ミニプレート③にある高知県・室戸および土佐清水は、2センチから4センチ沈降しています。一方で、同じミニプレート③にある高知県中央部・中土佐2は、約5センチと大きく隆起しています。その高さ変動の差は、10センチ近くあります。

そしてミニプレート②に位置する愛媛県・大洲は隆起。同じくミニプレート②に位地する高知県・吾北、徳島県・相生もかなり大きく隆起しています。

なお、沈降しているミニプレート③の高知県・室戸と、隆起しているミニプレート②の愛媛県・大洲の高さ変動の差は、9年間で約12センチまで拡大しています。

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2年間の水平ベクトル図(2019年11月時点)

四国沖の海底は海上保安庁の海底基準点のデータを見ると1年間で約4cm北西方向に動いています。一方、ミニプレート④は南東方向に動いております。その境目に当たるはミニプレート①②③は両者に挟まれ動けない状況になっています。分かりやすくするため水平変動が小さい(2年間で4cm以下しか動いていない)矢印の色と太さを変えました。ほぼミニプレート①②③に重なります。

この図からも見て取れるように身動きの取れない拮抗状態の中でミニプレート③は北方向、ミニプレート②は北東方向、ミニプレート①は東方向に動こうとしています。

つまりがミニプレート①②③にはひずみが溜まっていると考えられます。このひずみが更に溜まると南海トラフ地震につながる危険性があるとJESEA地震科学探査機構では見ています。

村井俊治著書『地震予測は進化する! 「ミニプレート」理論と地殻変動』より抜粋

JESEA 取締役会長 東京大学名誉教授 村井俊治

JESEA 取締役会長
東京大学名誉教授

村井俊治

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