Opinion

地震科学探査機構(JESEA)の地震予測方法について-地震学との違いは?-

JESEAの地震予測方法

JESEAは2013年に創業以来、測位衛星(GNSS)のデータ(主として国土地理院の1300点の日々の電子基準点データ)を使用して、科学的分析に基づいて地震予測を行い、約4万人の個人会員と法人会員に「MEGA地震予測」を配信してきました。

 

測位衛星(GNSS)とは?

GNSSとは、Global Navigation Satellite Systemのこと。
日本語訳すると全球測位衛星システムといい、日頃私たちが親しんでいるGPSは、このGNSSの一つです。

Google Mapなどの地図アプリや、カーナビでよくお世話になっていますね。
JESEAの地震予測には、ふだん私たちが使っているGPSよりも更に精度の高いものを使用しています。

また、測位衛星とは、易しく言うと地表を測る人工衛星のこと。

衛星測位システム(NSSと呼びます)は、「複数の人工衛星を使って、現在位置を測る仕組みのこと」です。

NSSの中でも、地球すべて(=Global)を測定可能なものをGNSSと呼びます。

GPS(Global Positioning System)とは?

GNSSの一つで、アメリカの測位衛星をGPSといいます。

ちなみにロシアの測位衛星はグロナス(GLONASS)、中国は北斗、EUはガリレオといいます。

日本の測位衛星は「みちびき」といい、みちびきを利用した測位システムはQZSSと呼ばれています。山間部や都心のビル街でも利用できるほぼ真上を通る軌道で準天頂衛星といいます。

「みちびき」は地球すべてを網羅するものではなく、日本とオセアニア付近を8の字型に回りこの地域のみで利用できます。

このような地域限定の測位衛星システムをRNSS (Regional Navigation Satellite System) といいます。

 

国土地理院の電子基準点とは?

 

国土地理院とは、日本唯一の「国家地図作成機関」であり、国土交通省に属する特別機関です。

 

電子基準点は、その国土地理院が全国に約1300点設置しているもので、各種の地図作成や測量の基準となります。GNSS衛星が発する電波を受信するためのアンテナと受信機が内蔵されている5mのタワーです。

 

これを私たちの身近なものにたとえてみます。
私たちはGoogleMap等を利用するとき、スマートフォン等に内蔵されている受信システムを使ってGNSSの電波を受信し、現在位置を把握しています。

電子基準点には、高精度のアンテナと受信機が内蔵されています。

衛星からの電波を受信して、基準点の位置を測ることで、「常に、基準点がどれくらい動いているか」連続的に情報を得ることができます。

 

電子基準点のデータは、国土地理院によって毎日発表されています。

ただし、3次元の座標値データは観測したその日に発表されるわけではありません。計算の関係上、「速報解」と呼ばれるデータでも観測の2日後、「最終解」は観測してから約2週間後にデータが発表されています。

 

JESEAでは、最新データを使用する必要のある指標に「速報解」を使用し、長期的な傾向値をみる「隆起沈降図」には「最終解」を使用しています。

ただし「速報解」「最終解」どちらにも、様々な原因によるノイズが含まれています。

ノイズについては国土地理院が下記のように説明をしています。

しかし、「日々の座標値」には、シグナルである広域的な地面の動き(地殻変動)だけではなく、前線の通過や大雪といった気象の変化、上空の電離層の擾乱、周辺樹木による電波の受信障害、地下水のくみ上げ等による観測点固有のローカルな変動、アンテナ交換等に伴う人為的なオフセット等、様々な原因によるノイズが含まれており、微妙なシグナルを捉えるためには細心の注意が必要となります。

国土地理院ホームページ『「日々の座標値」を地殻変動の研究等に利用される方へ』
より引用 

 

JESEAでは電子基準点のデータを使用する際、現れた異常が「地殻の変動」か「ノイズ」かを慎重に判断し、予測に反映させています。

 

JESEAと従来の地震学との違い

JESEAの地震予測は政府や地震学関係者と異なり、「〇〇年以内に大地震が起きる可能性は○○%」といった確率統計学は使用せず、「日本列島は日々刻々と変動してひずみが溜まる箇所が生まれ、地震が起きる」との解釈から、約1300点(電子基準点)のXYZHの三次元データの解析をもとに、地震予測を行ってきました。

 

地震学の「確率統計」とは?

簡単にいえば、地震学は地震のメカニズムを探求する学問です。そして「過去に起きた地震」の事例をもとに「活断層」などの情報も踏まえて確率統計的に地震を予測しています。

地震のメカニズムを探求はとても素晴らしいことです。ぜひ真の地震のメカニズムを解明して頂きたいと思います。

一方、JESEAの予測は「過去のデータ」ではなく、現在まさに動き続けている日本列島の地殻データを日々解析し、日本列島の健康診断をするように、どこにひずみが溜まっているかを推定し地震予測を行っています。

※最近は地殻変動データだけではなく、約10種類の方法を取り入れて地震を予測しています。

 

XYZHの三次元データとは?

 

地震予測に使用している、「電子基準点のXYZHデータ」とは何でしょうか?
電子基準点の座標値データは「電子基準点のある位置が、地球の重心から見てどの位置にあるか」を三次元座標XYZとHの値で示しています。

日々変動している地殻(地球表面)と違い、地球の重心は動きません。その動かない点から見て計ることで、電子基準点の位置を正確に把握することができます。

JESEAの地震予測方法

JESEAでは現在、複数の地震予測方法を確立していますが、中でも地殻のひずみを捉えるのに適している方法は「電子基準点データの解析」です。それは主として次の3つの解析と経験則から実施しています。

 

  1. 1週間に4cm以上の週間高さ変動が複数点まとまって現れた場合、その周辺に震度5弱以上の地震が起きる可能性がある。
  2. 4週前と水平方向の変動の差がまとまって大きく現れた場合、あるいは水平変動の向きが周辺と異なる方向に現れた場合、その周辺に震度5弱以上の地震が起きる可能性がある。

  3. ある地域が一定の期間連続して沈降傾向を示した場合、あるいは沈降の後で隆起に転じた場合、その周辺に震度5弱以上の地震が起きる可能性がある。

 

今後も引き続き、JESEAの地震予測についてお伝えしていく予定です。

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