Opinion

大地震からの避難 電車・地下鉄・バスに乗っていたら

今年は関東大震災の発生から100年を迎える節目の年です。
これから先、いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、
前回に引き続き「避難」の際に注意すべきポイントについて説明します。

今回は地震が発生したときに
電車や地下鉄・バスなどの公共交通機関を利用していたら
どのように避難すべきなのか
注意すべきポイントについて紹介いたします。

地震からの避難 駅の場合

地震発生時、駅に居た場合はまず揺れや落下物から身を守り、
揺れが落ち着いてからは駅員や係員の指示に従い避難する必要があります。

揺れている最中であれば、
まずは鞄を頭に乗せる等で落下物から身を守りましょう。
その際、ホームから転落しないように
近くの柱にゆっくりと移動し、うずくまって姿勢を低くするとより安全です。

ホームから線路には下りず、揺れが収まるまで焦らず待機しましょう。
特に地下鉄では、揺れが発生した際に
パニックになった人が出口に押し寄せることで
群衆雪崩が発生する危険もあります。

群衆雪崩は、以前の記事でも紹介したように
人の多い場所で集団ができた場合に
密集した人々のなかで1人が倒れた際
周囲が雪崩のように転倒していく現象のことです。

「群衆事故」とも呼ばれるこの現象は、
1平方メートル内に10人以上の人々が集まるような
密集状態かつ、人々が焦りや不安などから
移動を急いでいるときに生じやすいことがわかっています。

群衆雪崩による事故に巻き込まれない為にも、
揺れが収まったら係員や駅員の指示を待ち、
避難誘導に従って行動するようにしましょう。

また、大きな揺れにより
駅全体が一時的に停電することもあります。
しかし地下鉄を含めた多くの駅では、
停電しても非常灯が機能し、非常電源の備えもあるため、
避難への影響は比較的少ないといえます。
周囲が一時的に暗くなっても、
落ち着いて駅係員の指示を聞き、行動するようにしてください。

階段を昇降中に地震が起きた場合は
可能であれば手すりにつかまり
その場にしゃがんで揺れが収まるのを待ちましょう。

鞄などで頭部を守りつつ、
階段から転がり落ちることのないよう
姿勢を低くすることで身を守るようにしてください。
揺れの中で階段の昇降をすると危険なため、
立ち止まってしゃがむことを優先してください。

また地震発生時に津波が到達すると予想されている駅には
津波から避難する際の経路や避難先が案内されている
表示板が設置されていることがあります。

普段ご自身が利用する駅は津波の危険があるのか、
危険がある場合はどこに避難することを推奨されているのか
平時から確認しておくと、被災時にスムーズに行動することができます。

地震からの避難 電車・地下鉄・バス乗車中

走行中の電車が大きな揺れを感知した場合、
緊急停止装置が作動するために
電車が急速に減速して停車します。

そのため、座っている場合は鞄などで頭を守り、
停車の衝撃に備えてください。
立っている場合はつり革や手すりにつかまり、
可能であれば姿勢を低くし転倒しないようにすると安全です。

停車後は乗務員または運転士の指示に従い
避難することになりますが、
ワンマン運転の車両などで係員が一名の場合もあります。
その際は運転士(係員)から乗客に対し
避難用はしごや滑り台設置への協力を依頼されることがあります。

その際も可能な限り指示に従い、
協力して避難行動を迅速に進めることが重要です。

新幹線に乗っている場合

電車と同様に
緊急停車する可能性が高いため
転倒しないよう身体を支えたり、
手すりに掴まって身を守るようにしてください。

バスに乗っている場合

電車と同様に

早期自身検知警戒システムの作動により
緊急停車する仕組みになっています。

これは地震計が大きな地震を観測した場合、
車両への送電を停止し、
送電の停止を検知した車両が
自動的にブレーキをかけることで
ゆっくりと停車することができるシステムです。

実際にこの仕組みが働くと、
まず停車より先に車内の照明が消えます。
非常灯だけが点灯した状態で、車両がブレーキをかけ
徐々に停車するという流れになります。

その後、安全確認を行い問題がなければ
近くの駅まで走行を続けてから避難となります。
走行が困難だと判断された場合にも、
係員の避難指示に従って行動しましょう。

地下鉄では絶対に自己判断で線路に降りない
地震が収まったら、必ず乗務員の指示に従って避難しましょう。
特に地下鉄では、線路付近に高圧電流が流れている箇所があるため
自己判断で車外に出たり
係員の誘導なく線路に降りて徒歩で避難するのは大変危険です。

また、地下で被災したという不安と動揺から
パニックになった人々が出口に殺到しやすく、
前述した群衆雪崩発生の危険も高まる状況です。
特に地下鉄・地下街では落ち着いた避難を心掛けるようにしてください。

地震発生時 駅で立ち往生したら?

駅や電車の利用中に被災した場合、
多くは付近の駅まで避難することになります。
駅には非常食などの備蓄がある程度は確保されているため、
一時的な避難先として利用することができます。

JESEA Blog内で何度かお伝えしているように、
地震発生直後は「無理に移動しない(帰宅を焦らない)」ことも
身を守るうえでは重要です。
何故なら、交通が混乱した状況で多くの人が帰宅を焦ることで
都内各所で群衆雪崩が発生したり、
帰宅途中に余震の被害に遭う可能性があるためです。

駅で身の安全を確保したり
可能であれば付近の避難所に移動することも検討に入れることをおすすめします。

地震発生時はスマホやネットでの情報収集も困難になるため、
避難所の場所や利用可否については事前に把握しておくと安心です。

災害が起こる前から、よく利用する駅や職場・学校の付近で
利用できる避難所があるかどうか、場所はどこにあるのかを
前もって調べ、地震発生時にも落ち着いて行動できるようにすることをおすすめします。

次回も引き続き、地震発生時の避難について紹介していく予定です。

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