Opinion

大地震の発生時の防災対策 水害・津波からの避難

今年は関東大震災の発生から100年を迎える節目の年です。
これから先、いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、
前回に引き続き「避難」の際に注意すべきポイントについて説明します。

今回は地震による水害や津波が発生した場合の
避難の目安や避けるべき危険について
内閣府が発表した『避難に関する国の指導等』をもとにご紹介します。

「自発的自助」が基本方針 避難指示を待たない

『避難に関する国の指導等』では
避難の際の基本方針は「自発的自助」とされています。

「自発的自助」とは、状況に即した適切な避難行動を
避難者自らが選択し行動すること。

「自分の身は自分で守る」という意識で避難行動をとる、
ということが推奨されています。

何故なら被災時、住民一人一人が置かれた状況によって
最適な避難行動が異なるため、
国や自治体が「避難する時は○○をしてください」と
決めることは非常に困難とされているからです。

たとえば津波の発生時、
高台にいたとすれば、無理に避難所に移動するより
その場にとどまったほうが安全な場合もあります。

『避難に関する国の指導等』においても
「最終的な避難行動の選択は住民個人の判断に委ねられていると言わざるを得ない」としており
「いのちを守る」という観点を第一に行動することが大切であるといえます。

ここで重要になってくるのは、
『避難に関する国の指導等』の記載では
「市町村の避難勧告等や防災関連機関からの情報」は
重要な判断基準として把握しつつ、
最優先すべきは「いのちを守る行動」としている点です。

具体的には、危険を感じた場合は、自治体からの避難指示を待たずに避難したり
道中、土砂崩れに巻き込まれる危険があるなど
移動したほうが危ないと判断したなら、その場にとどまる必要があります。

「避難所に行けば安全」と考えるのではなく、
避難所への移動も検討しつつ、状況に即した安全な行動を選択することを
重要視するようにしてください。

また、被災時や緊急時は情報が錯そうしたり
被災者自身が焦燥し正常な判断が難しい場合があります。
そのためにも、災害が発生する前から
「ここで津波の危険があったら○○方向へ避難する」
「ここは大雨の時に地盤がゆるくなるから通らない」等、
可能な限り具体的に避難経路を想定しておくことをおすすめします。

その際、各自治体が発行しているハザードマップ(水害用)を
参考にすると、過去に冠水した道や
氾濫しやすい川の位置を把握できるため、おすすめです。

「垂直避難」とは何か?

『避難に関する国の指導等』において、
水害や津波からの避難には「垂直避難」という避難方法が記載されています。

「垂直避難」とは、急激な浸水などで
屋外での歩行が困難となった場合に
無理に避難所等へ移動しようとするのではなく
自宅や隣接した建物の2階等の高い位置へ一時避難し、
救助を待つ避難方法のことです。

こうした記載からもわかるように、
災害時、特に水害の場合は状況が刻一刻と変化していくため
「○○しておけば安全」といった考え方ではなく
状況次第で行動を変えられるよう、
避難の際の行動を複数検討しておくとよいでしょう。

避難の際に参考になる情報として
『避難に関する国の指導等』に記載されている点を以下にまとめました。

▼水害の際
・浸水深が 50cm 以上(膝上まで水が来る)場所での避難行動は危険。
流れが早い場合は、20cm 程度でも歩行不可能。
用水路等への転落のおそれのある場所では、道路上 10cm 程度でも危険である。
※ハザードマップ等を閲覧する場合は、
上記数値を参考に「歩行可能な場所」を把握することをおすすめします。

▼土砂災害の際
・避難所へ移動する場合
斜面や渓流の通過は避ける。
土石流発生の恐れがある場合、流れに対して直角に離れる。
渓流を渡った対岸への避難はしない。

・避難所へ移動できない場合
周囲の建物より比較的高い建物
鉄筋コンクリート等の堅固な構造物に避難する。
建物内では、2 階以上、かつ、斜面と反対側の部屋へ避難。
可能であれば窓のない部屋に避難すべきである。

津波や水害からの避難に車は使っていい?

『避難に関する国の指導等』においては、
津波が発生しできるだけ早く逃げなければならない場合を除き
基本的に車での避難は推奨されていません。

何故なら、浸水深が 30cm以上になると
排気口から水が流入する、
運転を制御するコンピュータが冠水する等で
自動車の運転が不可能になるためです。

水害時に車で避難すると、
30cm以上冠水した場所で身動きがとれなくなる可能性があります。

ただしこの場合も、
道路が冠水しておらず、
津波から逃げなければ巻き込まれる等の状況であれば
車で移動しできるだけ津波から離れることが必要なケースもあります。

必ず、ご自分が置かれた状況において
「いのちを守る」ことを最優先した避難行動を選ぶことができるよう、
普段から避難経路や避難手段について
具体的に検討することをおすすめします。

来週以降も、被災した場合の避難について
ご紹介する予定です。

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