最大震度6弱
阪神・淡路大震災から13年が経過した2018年。大阪府において震度6弱を記録した「大阪府北部地震」が発生しました。多数の負傷者が出ただけでなく、関西地方の交通機関がマヒし、多くの帰宅困難者が生まれるなど、二次的な被害も起きた本地震について、JESEAが科学的に分析した結果をここに報告します。
大きな地震の直前は、全国的に地表が静穏状態になる傾向があります。今回の「大阪北部地震」の前も、やはり“静穏状態”にありました。JESEAでは、2018年6月6日配信号のMEGA地震予測において「全国的に週間(直近1週間における)高さ変動および水平変動は静穏です。ただし大きな地震の前には、静穏になることがありますのでご注意ください」と警告していました。
ですが、大阪府北部を特定するには至りませんでした。今回、今後の地震予測の精度向上のため、後追い検証を実証し、科学的根拠を明らかにしました。
地震の概要
発生時刻:2018年6月18日 7時58分
震源:大阪府北部(深さは10㎞、緯度34度50分36秒、東経135度37分18秒)
震度:大阪府大阪市大阪北区、高槻市、枚方市、茨木市、箕面市で震度6弱を観測。マグニチュード6.1
被害:死者5人、負傷者435人(この震災によって、倒れたブロック塀の下敷きになり、小学生の児童が死亡したことは、大きな社会的問題となった)
1. 地震発生の1年前に見られた兆候
2. 地震発生20日前に起きていた異常変動
3. 「AI地震予測」は地震直前の大阪府を危険度4と判定
JESEAはより精度の高い予測の実現を目指し、3年ほど前から新しい地震予測技術にも挑戦しています。それがJESEA独自の人工知能(AI)を用いた「AI地震予測」です。
「AI地震予測」は、品質工学の分野で使われている“正常/異常の判断に優れた”MT法(マハラノビス・タグチ法)※を地震予測に応用することで、“地表の異常”を検知するものです。
大阪府北部地震が発生する直前、「AI地震予測」による危険度マップは以下のようになっていました。
「MEGA地震予測」は、“災害に備えるアプリ”です。もし「国土地理院の電子基準点データ」が地震発生前に入手できていたならば、「AI地震予測」の結果と照らし合わせ、JESEAは事前に、その危険を広く発信することができたかもしれません。そうすれば、被害をより小さく抑えることもできたかもしれません。
今回の経験を胸に深く刻み、JESEAはより正確な地震予測の実現のために、さらに研究を進め、精度向上を目指し、邁進していきます。