JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。
今回は、大きな地震が発生した際に発生する
風呂や衛生の問題について、
事前にできる対策と共に紹介します。
避難・防災 過去震災でのライフライン復旧期間
災害時においても、特に新生児や高齢者、
妊婦など免疫力が弱くなっている人や
避難生活中でも出勤しなければならない人など
入浴できない状況が続くと生活に支障がでる可能性があります。
事前に対策を行うために、まずはどれくらいの期間、
入浴が難しい期間が存在するのか説明していきます。
入浴には主に水道とガスを使用しますが
しかし地震などの大きな災害で被害を受けると
水道・電気・ガスの供給が停止し、復旧まで使用が難しくなります。
参考までに、過去の災害において復旧までにかかった日数と
将来起こる可能性のある震災において
復旧までにかかると予想されている日数をご紹介します。
〇阪神淡路大震災(9割程度の復旧まで)
電気:2日
水道:37日
ガス:61日
〇東日本大震災
電気:6日
水道:24日
ガス:34日
〇首都直下地震(被害想定)
電気:6日
上水道:30日
ガス(都市ガス)55日
上記を参考にすると、ライフライン復旧については
電気がもっとも早く、時点で水道、最後にガスが復旧しています。
復旧まで時間がかかる要因としては、
ガス漏れなどでの二次被害を防ぐ必要があり
特に慎重に作業を進める必要が生じるためです。
上記を参考に、入浴以外の生活面も含め
ライフライン復旧までどのようにして避難生活を送るか計画を立てることで
必要な備蓄品を把握したり、実際に避難生活が始まった際にも
スムーズな行動につなげることができます。
過去災害での入浴施設
では実際に過去の災害において
避難生活での入浴にはどのようなものがあったのでしょうか。
いくつかの事例をご紹介します。
1.自衛隊の災害派遣による風呂の提供
災害発生から災害派遣の完了まで
避難所の中でも規模の大きな「指定避難所」や
「大規模避難所」では、自衛隊の災害派遣で
入浴設備の提供が行われることがあります。
しかしすべての避難所で提供されるわけではないことから、
指定避難所から遠い避難所を利用していたり自宅避難をしている人は
利用しづらいなどの難点があります。
2.避難所の設備や自宅での入浴
自衛隊の災害派遣は、撤収が開始されると入浴設備も回収されます。
その後入浴設備は各避難所で用意されたものを利用する必要があります。
しかしガスが復旧するまでは自宅での入浴が難しいことも予想されます。
3.仮設住宅での入浴
過去の事例では災害発生から
4週間~5週間ほどでガスが復旧し自宅での入浴が可能となるケースがあります。
また自宅が被害を受けた場合でも、
仮設住宅に入居することができ、ガスが復旧していれば入浴設備が使用可能となります。
上記の情報をまとめると、
ガスの復旧が完了するまでの期間(災害発生から4~5週間)は
ガスを使用した入浴が困難になります。
過去の被災経験談などを参考に、具体的な対応策をご紹介します。
・遠方の友人宅、親戚宅に避難する(入浴設備を借りる)
・身体を拭くシートやドライシャンプーを活用する
・電気を使ってお湯を沸かす道具を備蓄しておく
入浴問題においては、
遠方の友人や親戚の家に避難する方法や
県外の入浴設備を利用する人が多くなっていました。
特に免疫力の低下しやすい方や
季節が夏であるなど、避難生活に困難が生じる場合は
遠方の設備利用も念頭に置いて避難準備をしておくと安心です。
また、ガスではなく電気を使って
入浴用のお湯を沸かすことのできる製品を用意しておくのも有効な手段です。
ガスと比べ、電気と水道は比較的早く復旧するため
電気で湯を沸かす用意と入浴用の水をしっかり備えておけば
自宅避難を続けている場合に、入浴ができる可能性が高まります。
ライフライン復旧の予想を踏まえて、いまからできる対策や準備を行いましょう。
今回は、避難生活での入浴に関して
過去の事例を交えてご説明しました。
次回も災害や避難について、役立つ情報をお届けいたします。