Opinion

地震からの避難 閉じ込められ対策

JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。

今回は、地震による揺れによって
屋内やエレベーターに閉じ込められた場合の
脱出方法や、対処法について説明します。

屋内・家・部屋からの脱出

大きな地震が発生すると、ドアが歪んだり
倒壊した家具が出入口を塞いだりすることで
出入口が使えなくなる場合があります。

まずは、こうした事態を可能な限り回避するために
「地震の起こる前から」準備できることがあります。

・ドアの近くに大型の家具を置かない
・廊下や通路に物を置かない
・棚やタンスの引き出しや扉が
飛び出さないよう対策しておく

冷蔵庫や洗濯機などの家電も
大きな揺れによって動く場合があるため
扉や廊下、防災グッズ、備蓄品の近くに
大型家電や家具がある場合は配置を見直し、
取り出しやすい場所に移動することも検討しましょう。

さて、地震による閉じ込めを防ぐ方法として
「ドアを開ける」ことが推奨されていますが、
具体的にはどのタイミングでドアを開けるのでしょうか。

基本的には、
玄関扉や出入り口の扉の場合
「大きな揺れが収まった後すぐに開ける」ことを意識しましょう。
トイレや浴室など、手を伸ばしてすぐに開くことができるドアの場合は
揺れを感じてすぐに開くことをおすすめします。

外に続く扉などは、大きな揺れがおさまってから開けておき
靴を履く、火災の有無を確認する、
非常持ち出し袋を取り出す等の
避難準備をするとよいでしょう。

過去の大地震では、大きな揺れが収まった後、
扉を開けずに避難準備を進めていたところ
余震によりドアが歪んでしまい、閉じ込められたケースもあります。

大きな揺れが収まった後は、周囲の安全確認や避難の準備をしつつ
ドアを開けておく、出入口周辺の安全を確保することで
外への脱出路を確保するようにしましょう。

揺れている最中にドアや扉を開けに行こうとすることは
危険ですので避けてください。
大きな揺れが生じると、立つことが困難になる場合もあるので
動き回らず、安全な場所で揺れがおさまるのを待ちます。

机が近ければ机の下にもぐり、
または大型の家具が倒れてこない場所に避難します。
どちらも難しい場合、廊下に避難することもできます。
出入口に近く、物が少ない場所であるため
屋内では比較的安全といわれています。

窓ガラスは揺れや落下物により割れる危険性もあるため
地震で揺れている最中には近づかないようにしましょう。

ビル・高層階からの脱出

マンションの高層階に住んでいる、
または職場がビルの高層階にある等で
建物の高層で地震に巻き込まれることもあります。

ビルなどの建物でもっとも起こりやすいのが
「エレベーターに閉じ込められる」ことです。
揺れによりエレベーターが緊急停止することで
閉じ込めが発生し、救助されるまで外に出られない場合があります。

2018年に発生した大阪北部地震(震度6弱)では
300件以上の閉じ込めが発生し、
救助までには平均3時間ほどかかったといわれています。

また、首都直下地震の被害想定では、
都内で最大約2万2,000台のエレベーターが停止すると予想されています。
つまり8台に1台ほどの割合で閉じ込めが発生するとされており
エレベーターを日常的に利用している場合は特に注意が必要です。

特に大きな地震が発生すると
被害地域で同時に多数の閉じ込めが発生するため
救助までに時間がかかることもあります。

万が一に備えて、エレベーターに閉じ込められた場合の
対処方法を下記にまとめました。

①すべての階のボタンを押す
②非常連絡ボタンを長押し
③ドアが開いている場合、完全に閉める
④助けを呼ぶ際はドアを叩く、防災笛を吹く等で音を出す

日本エレベーター協会の担当者によると
①については、エレベーターの種類や製造年によっては
揺れを感じた時点ですべての階のボタンを押せば
最寄りの階で停止できる可能性があるとされています。

2009年の法改正により、2009年以降に設置されたエレベーターは
震度4以上の揺れを感知すると自動的に最寄りに止まり
扉が開く安全装置が取り付けられています。
しかしそれ以前に設置されたエレベーターだった場合は
揺れを感じた時点ですべての階のボタンを押すことで
最寄り階で停止できる可能性を高めることが出来ます。

②については、一度押してつながらなくてもあきらめず
何度か試してみることが必要です。
特に大地震の場合、同時に閉じ込めが発生する
エレベーターがいくつもあることや回線が混雑することから
すぐにつながらない場合があります。

③については、エレベーターはドアが開いている間は
電気回路が切れる仕組みとなっているため
少しドアが開いた状態で停止している場合、
ドアを完全に閉めることで動くケースもあるとのことです。

④の「音を出す」については
硬いもので扉をたたく、非常笛を吹く等の方法で
音を出すことで「閉じ込められている」ことを
周囲に知らせることが出来ます。

その際は必ず「大声を出す」「手で扉をたたき続ける」など
体力を消費する方法は避けるようにしましょう。
エレベーターから救助されるまで長時間かかるケースも想定されるため
可能な限り体力は温存するよう心がけてください。

また、普段からできる備えとして
持ち歩いている鞄に非常用ホイッスルや携帯トイレ
軽い飲食物や非常用バッテリーをいれておき
エレベーターに閉じ込められても
数時間から半日耐えられる状態にしておくと
より安心できます。

どんな状況で地震に巻き込まれても安全に行動できるよう
普段から持ち歩いている鞄には
防災グッズを用意しておくことをおすすめします。

今回は、
地震に伴って発生する閉じ込めや
エレベーターに閉じ込められた際の
対処法について説明しました。
次回も防災に役立つ情報をお届けしていきます。

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