Opinion

地震への備え 帰宅困難への備え

JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。

今回は、大きな地震が起きたとき、
過去にも首都圏で発生した「帰宅困難」について
どんな備えをしたらいいのか、帰宅の際の注意点などをまとめました。

東日本大震災の帰宅困難

過去の災害を例にすると、東日本大震災の際には
主に首都圏で多くの帰宅困難者が発生しました。

3月11日(災害当日)には多くの公共交通機関が運行を停止しており、
特に11日18時39分頃にはJR東日本が列車運転とりやめを発表していました。
東北エリア、山手線、中央線などの首都圏のすべてのエリアで列車運転をとりやめており、
首都圏では多数の帰宅困難者が発生しています。

東日本大震災の際には、JR東日本だけでなく東京圏の鉄道各線で
線路点検や復旧作業が行われた影響で運行停止が相次ぎ、
震災発生当日に帰宅できなかった「帰宅困難者」は
首都圏全体で約515万人になったと推計されています。

実際に災害が発生した場合、多くの公共交通機関が停止することが想定されるため、
公共交通機関を使用し通勤している人は
多くが帰宅困難者になる可能性があることを想定して、
日ごろから備えておく必要があります。

また、公共交通機関ではなく自家用車等を使用している場合でも、
災害発生直後には緊急車両の通行が優先されるほか
道路自体の損傷が発生した場合の通行止め等によって
通常の走行ができず、帰宅困難に陥る可能性が高くなります。

一斉に帰宅しない

東日本大震災の際に、帰宅困難者が一斉に歩いて帰宅することによって
道路の混雑や、群衆雪崩と呼ばれる危険な現象が発生するリスクが高まることから
現在では「一斉に帰宅しない」「無理に歩いて帰らない」ことが推奨されています。

災害発生直後3日間は、緊急車両の通行や、
災害によって発生した負傷者等の対応が優先されるため
道路の混雑を避ける必要があるからです。

帰宅困難となった場合にも、可能な限り駅や職場にとどまり
一斉に帰宅せず、道路の混雑を避けることで安全に帰宅することにもつながります。

東日本大震災の際にも、帰宅困難者の一時的な受け入れのために
自治体が行政庁舎や公共施設を開放したほか、
多くの民間施設でも帰宅困難者の受け入れが行われていました。

まずは災害が発生した際にも、
無理に急いで帰らずとも問題が無いように、以下の準備を進めておくことをおすすめします。

・家族との連絡手段を複数持っておく
・家族と避難先や集合場所を事前に決めておく
・自宅の防災、減災対策をする

上記の通り、災害が発生してもすぐに帰らなくても済む、
もしくは家族や同居人と連絡がとれる状況にしておくことで
無理して行動するリスクを軽減することができます。

また、帰宅困難となるケースを想定して
可能であれば、通勤や通学に使う鞄の中に防災用品・食料などを入れておいたり
職場のロッカー等に、1日分(可能であれば3日分)の食料やマスクなどの衛生品、
非常用の備えをしておくと、数日帰宅できない場合でもある程度持ちこたえることができます。

普段から、災害が発生し帰宅困難となった場合に、
どこで一時滞在をするのか、家族への連絡手段や集合場所を決めておくこと。

徒歩で帰宅が可能となった場合に、
帰宅する際のおおまかなルートを一度は調べ、
距離や帰宅にかかる時間などを検討しておくと、
具体的にどんなものを鞄に備えたほうがいいのか想像がしやすいためおすすめです。

大きな災害が起きた場合、
震源近くで揺れに巻き込まれる可能性ももちろんありますが、
全国規模で考えた場合、帰宅困難者として災害の被害を受ける可能性が高い状況といえます。

今一度、帰宅困難になった場合を想定して、
備えを見直してみることをおすすめします。

今回は、東日本大震災を例にして、
大きな地震被害が起きた際に帰宅困難になるケースの紹介や
帰宅困難の際の注意点をご紹介しました。

地震の被害や規模、影響は地震ごとに異なるため、
一概に過去の震災と全く同様になるとは限りません。
しかし過去、大きな地震被害があった際に、
実際にどの程度の被害や影響があったのか知っておくことで
ある程度の目安を持って備えることができると考えます。

過去の状況をふまえて、地震での被害を最小限におさえられるよう、
日ごろから備えておくことをおすすめします。

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