JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。
日本は地震大国であり、
過去に何度か同じ場所で
大きな規模の地震が発生している地域もあります。
今回は、過去に発生した
小笠原諸島・伊豆諸島を震源とする地震について
被害の例や避難に関する情報をまとめました。
小笠原諸島・伊豆諸島 地震の特徴
小笠原諸島・伊豆諸島は
東京都に属する島しょ地域です。
なかでも人々が生活している11の島は
総称して「東京諸島」と呼ばれることもあります。
この地域は、過去に何度か大きな規模の地震が発生しています。
島しょ地域であることから、
この地域で発生した地震は津波を伴うことが多く
揺れにくわえ、津波により発生する被害にも
注意が必要となっています。
中でも「小笠原諸島西方沖地震」は
震源が深い位置になる「深発地震」の数が多いです。
深発地震は、その名の通り
地下の深い場所を震源とする地震のことです。
日本で観測される地震は
地下10km~50kmを震源とするものが多くなっています。
一方、「深発地震」は地下数百kmという深さで起こります。
日本で最も深い場所で発生した「深発地震」は
2015年5月30日に発生した
小笠原諸島西方沖地震(M8.1、最大震度5強、深さ682km)の
余震(同日21時46分、M3.6)であり、
震源の深さは698kmでした。
地下深くで起きた地震は
震源から遠く離れた場所にも揺れが伝わりやすいため
小笠原諸島西方沖でたびたび発生する地震は
他地域で発生する地震と比較して
より広い地域に影響や被害を与えるものといえます。
小笠原諸島・伊豆諸島 過去の大地震
先ほど例に挙げた「小笠原諸島西方沖」の地震のほか、
伊豆諸島の北部ではたびたび群発地震が発生しています。
過去に「小笠原諸島」と「伊豆諸島」周辺で発生した
地震の深さや規模について、特に被害の多かったものを下記にまとめました。
小笠原諸島周辺の地震
小笠原西方沖を震源とする地震は
過去に何度も発生しており、先述した通り
地下深くを震源とする「深発地震」が多く見られます。
震源が深いために、震源の近くだけではなく
震源となった場所近くにあるプレートを通じて
地下で繋がっている地域(福島など)で
大きな揺れが観測されることもあります。
・1968年10月8日:M7.3、最大震度3
福島県、茨城県、千葉県、東京都で震度3を観測。
・1970年5月26日:M7.1、深さ350kmで発生。
最大震度3を福島県、千葉県、東京都で観測。
・1998年8月20日:深さ467km、M7.1
・2000年8月6日:深さ445km、M7.2
・2010年11月30日:深さは490km、M7.1
宮城県、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県の
広い範囲で震度3を観測。
・2015年5月30日:深さ681km、M8.1
47都道府県すべてで震度1以上を観測した
非常に規模の大きな地震。
最大震度5強は東京都小笠原村、神奈川県二宮町で観測。
伊豆諸島周辺の地震
伊豆諸島北部を震源とするものは
群発地震がいくつか発生しており
震源の浅いものも多いため
主な被害は揺れによるもの(土砂崩れ・山崩れ)となっています。
・1900年11月5日:三宅島近海
推定M6.6の地震。神津島で住宅に被害が生じた。
本州3県で揺れを観測。
三宅島・御蔵島の海岸線で山崩れなどが発生。
・1936年12月27日:新島近海
新島の南約5kmを震源とするM6.3の地震が発生。
最大震度は静岡県伊東街で震度4。
震央付近の新島・式根島で死者や負傷者、
住宅の全壊を含む大きな被害が生じた。
・1957年11月10日:新島・神津島近海
11月6日頃から地震活動が活発化するなか、
10日に発生したM6.0の地震。
震源が深さ5kmと浅かったこともあり、
震央付近では家屋の倒壊などの被害が生じた。
・1982年12月28日:御蔵島近海
M6.3の地震。八丈島八重根で40cmの津波を観測。
12月27日ごろから地震活動が活発化し、
その活動は翌年1月頃まで続いていた。
・2000年6月26日:伊豆諸島北部群発地震
最大規模はM6.5
最大震度6弱の地震を6回観測。
M5以上の地震は77回、M4以上が600回以上発生した。
・2013年4月17日:三宅島近海群発地震
最大規模はM6.2、最大震度5強の地震が発生。
4月17日から4月18日までに49回の有感地震が観測された。
三宅村において複数の地域で土砂崩れが発生する等の被害が生じた。
小笠原諸島・伊豆諸島で発生する地震のまとめ
上記でまとめた通り、過去に何度か同じ地域で地震が発生している場合は
過去の被害状況や震域などから
今後起きた場合にどのような被害が想定されるかを考え
日ごろから、地震が起きた時のための準備を整えておくことが重要です。
たとえば伊豆諸島北部を震源とする地震については
火山噴火と同時期に地震が発生するケースもあることや
群発地震として、規模の大きな地震が連続して発生することを考慮し
避難経路の検討や、地震発生時のシミュレーションをしておくことで
いざという時、冷静かつ迅速に行動できる可能性が高まります。
ご自身がお住いの地域で
過去に地震が起きた時、どういった被害が出たのか
どこまで揺れが広がったのかを把握し
防災に役立てることをおすすめします。
今回は、
小笠原諸島・伊豆諸島を震源とする地震について説明しました。
次回も防災に役立つ情報をお届けしていきます。