JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。
今回は、避難生活で不足しがちな栄養素や
起こりうる不調についてご紹介します。
災害が生じた場合、誰でも避難生活を送る可能性があります。
避難所で生活する場合でも、在宅避難を選ぶ場合でも、
注意すべきことや陥りやすい状態について前もって知っておくことで
被害を軽減することにつながりますので、
ぜひ参考にしてみてください。
避難生活で陥りやすい栄養不足
避難生活では偏った食生活になったり、
食欲の低下から栄養不足になりやすいと言われています。
原因として、ライフラインが寸断されたことにより
調理方法が制限されてしまうため、
冷たく硬い食品や、汁気がなく乾いた食品での
栄養摂取を余儀なくされる場合も多くあります。
そうした場合、子どもや高齢者では
食事量が減ってしまうこともあります。
特に新生児や乳幼児の場合は離乳食が足りなくなってしまったり、
高齢者では持病に合わせた食事(塩分や糖質を制限したもの)が
手に入りにくいために、備蓄が足りないと困ってしまう場面もあります。
また、災害を通して心身にストレスがかかることから、
持病が悪化するケースも多く発生しています。
健康な人であっても食欲が低下したり、
がれきの撤去や復興作業等で疲労がたまることから
身体の不調が生じるケースも多くあります。
備蓄用の食料を選ぶ際には、
長期保存ができることはもちろんのこと、
下記の点に注意して選ぶことができれば安心です。
・肉や魚、野菜など副食を多めにそろえる
・野菜ジュース等でビタミンを補給できるようにする
・離乳食やミルクなど、乳幼児の食品は多めに確保する
・持病がある場合は、持病に合わせた食事を用意する
(塩分カット、糖質制限食など)
特に避難生活では、菓子パン・調理パン・おにぎりなど
炭水化物(糖質)が多く含まれる主食中心の食事となる場合が多く
過去の災害においても、多くの避難所で
タンパク質やビタミンC、ビタミンB1・B2が不足していたことがわかっています。
特に成長期の子どもや女性では、
カルシウムとビタミンA、鉄分の不足が多く見られていました。
一方で、塩分や糖質は過剰に摂取してしまいがちになります。
そのため、塩分を控える必要のある方の場合は
特に備蓄食料に注意が必要です。
これらのことを踏まえ、
災害用の備蓄食品は「主食以外」のものも
意識してそろえるようにしましょう。
食欲が低下しても食べられるものや、
ライフラインが寸断されても
温かい食事を食べられる備えとして
災害時でも使える調理器具や
カセットコンロ等の調理器具を用意しておくと、より安心できます。
避難生活 食事以外で不足するもの
食事以外でも、避難生活で不足しがちなものがあります。
災害用の備蓄は食品や飲料水を中心に備えている、
という場合は、今一度「食品以外」の備えも十分かどうか
確認するようにしてみてください。
確認の観点として、
「電気・ガス・水道が使えないなかで、
この備蓄だけで3日(または1週間)生活できるか」を
考え、足りないものがあれば備えておくとよいでしょう。
避難生活で不足したという声が多いものには下記のようなものがあります。
・薬(持病の薬や常備薬)
・生理用品、おむつ(新生児・高齢者用)
・衣服(特に子ども用)
・毛布、寝具
・マスク
・スマートフォンなどの充電器具
・携帯トイレやトイレを流す水
・ガソリンや灯油ストーブの燃料
特に生理用品やおむつ等は
支援物資としても届きにくいため、普段からの備蓄が重要となります。
食料についても、状況によっては各避難所で不足する場合もあり
基本的には各個人・家庭で食事を含めた
自分たちの備蓄を確保できるよう備えておくことが必要となります。
日ごろから少しずつ、必要なものの備蓄を進めておき
いざという時に少しでも被害を軽減できるようにすることをおすすめします。
今回は、避難生活で不足しがちな栄養素や
不足しがちな物資の準備について説明しました。
次回も防災に役立つ情報をお伝えしていきます。