JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。
今回は、地震によって避難生活を行う際に
用意しておいた方がいい衣服や着衣着火の危険についてご説明していきます。
避難時の服装
地震発生後、避難する際の服装として推奨されているのは
「けがをしない」ことに重点を置いた服装です。
津波発生時や、火災が起きている場合など
一刻も早くその場から離れなければならない場合は
避難を優先し安全な場所に逃げることを重視しますが、
職場から自宅への移動や、自宅から避難所への移動など
ある程度落ち着いた状態で避難するときには
「けがをしない」服装での避難ができると安心です。
怪我を防ぐ服装については下記のようなものがあります。
・長袖、長ズボン(真夏でも)
・底の厚い靴
・ヘルメットや防災頭巾
・手袋
・マスク
靴については、災害時には
ガラスの破片やがれきなど
危険なものが散乱していることが多いため、
底の厚い運動靴やスニーカーがあればそちらが推奨されます。
雨の中の避難だからとサンダルを履いていくのは、
上記の通りがれきやガラスでケガをする可能性があるため危険です。
また、長靴も避けたほうがよいとされています。
理由として、洪水や冠水が発生している場合、
靴の中に水が入り込み重くなることで
その場から動けなくなったり足をとられることがあります。
特に長靴は水が入り込みやすく、重くなりやすいため
避難時に履く靴としては避けたほうがよいでしょう。
燃えやすい素材を避ける
特に避難時の服装では、
火災等にまきこまれるリスクも考え、
被害を最小限にする衣服を用意しておくと安心です。
炎に接した部分が融解してしまう素材として
ポリエステル、アクリル、ナイロンなどの合成繊維があります。
万が一、炎に触れてしまうと重いやけどにつながってしまうため
火災の危険がある場合は着用を避けたほうが安全です。
また、冬場の避難の場合、
着衣着火の危険についても把握しておきましょう。
地震以外の平時でも、着衣着火で少なくない人が命を落としています。
着衣着火では「表面フラッシュ現象」が発生することがあるため、
服に火が付いたときの対処法もあわせてご紹介します。
「表面フラッシュ現象」とは
わずかな着火で衣服に火が広がり、
あっという間に燃え広がることです。
冬場など湿度が低く乾燥した状態で
静電気などが発生していたり、
綿やレーヨンなど燃えやすい素材の衣服が
ネル地など細い繊維が起毛していて空気を含んでいたり
毛羽だっていたりすると起こりやすい現象です。
地震のときでなくても、冬場の調理中に
ガスの火などが不意に服に触れることで発生することがあります。
表面フラッシュ現象が起こると、
あっという間に全身に火がひろがってしまうため
適切な対処をとれないことが多いとされています。
服に燃え移ったときは服を脱ぎ捨てる、
転がりながら助けを呼ぶ、
水をかぶるか濡れたタオルや毛布を押し当てる等の
対処をすることを覚えておくとよいでしょう。
アメリカで行われている方法として
Stop,Drop and Rollと呼ばれるものがあります。
Stop:止まる(走り回ると火の回りが早くなる)
Drop:倒れる(立っていると火が頭部に回る)
Roll:転がる(手で顔を覆い左右に転がる)
火を地面に押し当てるようにして転がり、
火に酸素を回さないようにすること。
また頭部への延焼を防ぐために
倒れてから転がることを意識するようにしましょう。
炎の広がった衣服を脱ぎ捨てられるのであれば
一刻も早く脱いでから離れることが求められますが、
とっさにできる対応策として覚えておくことをおすすめします。
また、避難時だけではなく避難生活中は、
ガスが復旧するまでの間
携帯用ガスコンロの火で調理をしたり
災害用のろうそくで照明を確保する場面も考えられます。
普段よりも火に接する機会が増えるため、
避難生活中も、着衣着火や
火傷の被害を避けるよう、十分な備えをすることをおすすめします。
今回は災害からの避難でするべき服装や、
着衣着火の危険性について説明しました。
次回も災害時に役立つ情報をお届けしていきます。