Opinion

地震への備え 災害時の調理

JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。

今回は、災害発生時にライフラインが停止した際の
調理やごみの保管方法について紹介します。

湯せん調理法とは

災害発生後、避難生活が長引くと
非常食中心の生活で栄養が偏ったり、
慣れない生活で食欲が落ちてしまう場合があります。

避難生活での疲労やストレスが溜まると
体調や持病にも影響する可能性があるため
温かい食事ができ栄養補給もしやすい
湯せん調理について、普段から備えておくと安心できます。

湯せん調理の用意を検討するのは
災害発生後、主に在宅避難を行う可能性が高い場合です。
湯せん調理に必要な鍋、水、カセットコンロと
湯せん調理用のポリ袋は事前に用意をしておきましょう。

湯せん調理のできる食品ポリ袋は、
必ず耐熱温度が110度以上あるものを選択しましょう。
耐熱温度が低いと、湯せん調理中に袋が溶けてしまい
調理することができないためです。
湯せん調理に使えるポリ袋かどうか、購入時に必ず確認しましょう。

湯せん調理は、調理時に出るゴミや洗い物が少ないため
災害時でも温かい料理を作ることができ便利な一方、
いくつか注意点があります。

災害時にも問題なく調理できるよう、
普段から料理をする場合は、
湯せん調理を取り入れて食事を用意する日を設けると
実際の手順が把握できるためおすすめです。

湯せん調理で注意するポイント

今回は湯せん調理で
注意すべきポイントについても説明していきます。

・1袋に入れる量は1~2人分が目安
1袋に大量の食材を入れてしまうと熱が通りづらくなるため、
基本的には1袋=1人分を分けて入れるようにしましょう。
食べる時にも取り分ける必要がなく便利です。

・調理時、ポリ袋から空気を抜く
ポリ袋を使用した調理では、食材と調味料をポリ袋に入れ
ポリ袋の口を縛って調理しますが、
ポリ袋に空気が入っていると鍋の中で浮いてしまい
食材がすべて湯に浸からず火の通りが悪くなります。

そのため、食材を入れたポリ袋からはしっかり空気を抜くようにします。
食材の入った袋を、水の張った桶などに入れて
水圧を利用することで空気を抜くことができます。

湯せんで加熱すると袋が膨らむので、
縛る時の結び目は袋の上の方に作るとよいでしょう。

・湯せんは袋が鍋底や鍋肌につかないようにする

ポリ袋は鍋肌や鍋底に直接くっつくと、熱で袋が溶けてしまいます。
湯せんする際には、耐熱皿を鍋底に沈めてから調理を開始しましょう。
鍋肌や鍋のフチにもくっつかないよう、鍋の中央にポリ袋を入れ、
調理中もあまり目を離さず、袋が鍋肌につかないよう注意します。

・鍋は大きめを用意する

ポリ袋が鍋肌につかないよう中央に入れる必要があること、
湯せんで熱を加える必要があることから、
鍋は大きめのものを用意すると調理しやすくなります。

特に家族が複数人いる場合は、
一度の食事で人数分のポリ袋を加熱することになるため
全員分の湯せんができる鍋か? という点を
事前に確認しておくと、実際に調理する際にも安心です。

③湯せん調理 炊飯方法

湯せん調理でお米を炊くことも可能です。
今回はその方法を紹介します。

・無洗米と水をアイラップに入れる
避難生活で水を節約することを考慮し、
備蓄の米は無洗米を用意しましょう。

米1:水1.2、の比率で炊飯することが可能です。
災害時は水や米の量を正確に測ることができない場合もあるため
比率で覚えておくと、量を測れない時にも便利です。

離乳食用のごはんは米1:水2、
おかゆは米1:水5という比率で作ることが出来ます。

②ポリ袋の空気を抜き、袋の上の方を結ぶ

注意点の項目でも紹介した通り、
ポリ袋に空気が入っているとうまく熱が通らない為
水圧などを利用してしっかり空気を抜くようにしましょう。

空気を抜いたら30分程浸水させます。

③沸騰した湯に袋を入れて湯せんする
沸騰し、湯が沸いた状態で25分湯せんします。
鍋底には耐熱皿を敷いて、袋が溶けるのを防止します。
湯せん後、袋を鍋からとりだして5分程蒸らせば完成です。

他に調理するものがある場合には、
鍋肌に触れない範囲で鍋に入れ、一緒に加熱することもできます。

90mlの紙コップであれば、すりきり一杯の生米で
ちょうど茶碗一杯分のご飯を炊くことが出来ます。
目安として覚えておき、在宅避難用の備蓄に
紙コップを揃えるのであれば参考にしてみてください。

今回は、災害時でも限られた資源で活用できる
湯せん調理法について説明しました。
次回も、防災に役立つ情報をお届けしていきます。

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