JESEA Blogではこれから先、
いつ起こってもおかしくはないといわれる大地震に対し
今から備えるために、避難や防災に役立つ知識をご紹介しています。
今回は、大きな地震が発生した際、
自宅の被害を最小限におさえるために
家具や家電などの転倒を防ぐ方法とコツを紹介します。
家具や家電の固定化(転倒防止)のメリット
防災対策として、備蓄などを用意すると同時に
減災に努めることも重要なことです。
減災とは、災害によって被る被害を最小限におさえるために、
あらかじめ行う取り組みのこと。
地震による大きな揺れで自宅に被害が出た場合、
揺れで倒れた家具の下敷きになったり
飛んできた家電がぶつかって怪我をする可能性があるほか
散らばったものや落ちてきたものを片付けて生活するのに
想定以上に時間がかかり、体力を消耗することが想定されます。
大きな揺れに見舞われると、固定されていないものは
ほとんどが床に落ちるか飛んで行ってしまいます。
実際に過去の震災においては、
足の踏み場もないほどに散乱したものや家具を片付けて
通常通りに生活できるようになるまで一か月かかった例もあります。
近年、特に首都圏においては避難所が足りなくなるケースも増え、
在宅避難が推奨されることも多いため、自宅の安全性は重要です。
なにより、避難生活が「片付け」から始まることは苦難が伴います。
まずは休んで心身の疲労を回復すべきところ、
休むためには片づけなければならない、という問題を回避するためにも
自宅の家具や家電には転倒防止対策を行うことをおすすめします。
家具・家電の固定化(転倒防止)の方法
◆キッチン
刃物やお皿など危険なものが多いため、
対策をするならまずはここから始めるのがおすすめ。
基本的には「重いもの」を下に、「軽いもの」を上に収納し、
包丁やハサミなどの刃物類は外に出さないようにします。
フライパンや鍋類も、可能であれば棚の中などに収納しましょう。
食器棚に滑り止めシートを敷き、扉に開閉ロックを取り付けることで
地震の揺れによって扉が開き、あたりに皿などが散乱するのを防げます。
酒や調味料の入った重い瓶なども、
地震で割れやすいため収納の下の方へしまいます。
つり戸棚など高い場所の収納には軽いものを入れるようにし、
キャスター付きの家具や収納にはストッパーを付けておきます。
家電の転倒防止については専用のグッズを使用するほか、
冷蔵庫の扉にも開閉ストッパーを設置すること、
また冷蔵庫の場合は、冷蔵庫と天井までのスペースの間に
中身の入った段ボール等を詰めて隙間を埋めることでも転倒防止効果があります。
ひとつひとつの対策は小さなものですが、徹底することで震災時の怪我を防ぎ、
自宅内の復旧の速さにもつながります。
特にキッチンは怪我の原因になるものが多い場所なので、
優先して対策することをおすすめします。
◆リビング
細かいものが多く設置されているリビングは、
物が散乱しないことを目指すことが必要です。
文房具などの小物はすべて収納ケースに保管し
そのケース自体が飛んでいかないよう滑り止めシートを貼る等で
モノの散乱を防ぎます。
基本的に、部屋にあるものを最小限にし、
飛んで行って割れてしまう可能性のあるものを減らすことでも
怪我の可能性を下げることが出来ます。
また、リビングに本棚や食器棚がある場合も
しっかり転倒防止対策を施しましょう。
食器棚は各扉に開閉ロックや耐震ラッチを設置し
食器の下に滑り止めシートを敷くことや
重い食器は下の段に置くことで被害を軽減できます。
耐震ラッチとは、地震の揺れを感知した際に動作し
開き扉の解放を防いでくれるものです。
他の耐震グッズとも組み合わせて活用するとより減災につながります。
特に本棚については、もし地震の揺れで倒れてしまうと
大きな怪我や事故につながる可能性が大きいです。
揺れで本棚自体が歪んでしまうことも多く発生しています。
十分な転倒防止策を行ったうえで、
出入口の近くには設置しない、万が一倒れてしまったとしても
避難や生活に支障のない場所に設置すること、
倒れてしまっても自分で復旧できる程度の大きさに抑えたり
扱いやすいものに買い替える等の対策もおすすめです。
今回は、大きな地震が起きる前に行うことのできる
減災の一環として、家具の転倒防止策についてご説明しました。
次回も災害や避難について、役立つ情報をお届けいたします。