今回は、防災対策の一環として「被災した状況」を想定し、JESEAスタッフが実際に取り組んだ「家族で避難訓練」の内容をご紹介します。避難訓練は学校や職場では行われておりますが、家庭でやっている方は少ないのではないでしょうか。リモートワークが定着した今だからこそ、家庭での避難訓練が必要ではないかと思い実行してみました。
防災対策は必要と感じていても、普段の生活の中ではなかなか取り組むことができず、何がどれだけ必要かわからないことがあります。可能であればぜひご家族で、実際に被災した場合を想定し、防災対策を万全にしてみてください。
怪我をする可能性を考える
まず、地震など自然災害が発生すると、ガラスが割れたりものが倒れたりして怪我をする可能性があります。たとえばガラスで手を切ってしまった場合、普段使っているばんそうこう等で対応できない場合もあります。
普段の生活では、ばんそうこうやガーゼで対応できる程度の怪我は自宅で、それ以上の大きな怪我は病院で治療することが多いです。しかし災害時はほとんどの場合病院に行くことはできず、日常生活ではまず対応しない大きな怪我でも自宅で応急処置する必要があります。
たとえばガラスで手足を切る、落ちてきたものが当たる等で怪我をする場合も想定し、非常用袋には大きめのガーゼや包帯も多めに用意しておくことをおすすめします。
被災時の避難経路を考える
被災時の集合場所・避難所についてはこちらの記事でもご紹介しましたが、避難時の集合場所や避難場所に向かう前にひとつ考えておかなければならないことがあります。それは、避難する場合どうやって家から出て移動するか、ということです。
マンションやアパートの高層階に住んでいるのであれば、地上まで降りるための手段が必要です。地震で玄関扉が使えず窓から逃げるしかないケースもあります。どんな場合もある程度は対応できるように、少なくとも家が火災などで危険な状態となった場合にすぐ避難することができるよう、「家から出る方法」は被災前によく検討し、可能な限り家族で共有しておくことが大切です。
非常階段を使うのか、非常階段が使用できない場合はどうするのかについては被災前に検討しておくことが重要です。実際に災害が起こってしまうと、避難する際に迷っている暇がありません。事前に避難方法や避難経路を決めておくことで、災害時に命や財産を守ることにつながります。
トイレを使ってみる
さて、地震などでライフラインが停止すると、トイレが使用できなくなります。毎日当たり前のように使っているトイレですが、使えない状況となると「どこにするのか」「出したものをどうするのか」という問題が発生します。各家庭の状況によっても最適な方法は異なりますが、おすすめなのは凝固するタイプの消臭剤がセットになった非常用トイレを多めに備えておくことです。あまりかさばらず、用を足した後もニオイを防いだままある程度保管できるため、トイレが復旧するまでの間はそちらで代用することが可能です。
非常用トイレの例: 防災館(携帯トイレ)のページに移動します
食事を作ってみる
非常用に準備した非常食や携帯食を使用して、実際に1食分作って食べてみることもおすすめです。今回実施した「家族避難訓練」では「電気が止まった」想定で、暗い中で調理を行いましたが、準備段階では想定していなかった問題がいくつか発生しました。
まず、照明がなければ手元が見えず調理ができません。そのため、懐中電灯だけではなくヘッドライトがあると便利です。懐中電灯を使うと、常に誰かに手元を照らしてもらう必要があり、意外と不便です。ヘッドライト以外にもキャンプ道具等の備えがある場合は、照明器具もキャンプ用品を使用すると楽に料理ができます。
充分に備えているつもりでも、実際に避難を想定して動いてみたり、防災グッズを使ってみることで新たな発見があります。準備が足りなかった部分や、十分な数が揃っていなかった物資などを改めて確認し、災害への備えを万全にすることが大切です。