電子基準点データについて

電子基準点とは

電子基準点は、国土地理院が設置・管理している観測点です。「MEGA地震予測」ではそのデータを利用し、地震を予測しています。全国に約1300箇所あり、1つの機関が管理する数としては世界一です。また、解析方法、精度ともに高い水準であり、日本が世界に誇る素晴らしい観測網なのです。

電子基準点データとは

電子基準点データとは、カーナビなどでお馴染みの「GPS」に代表される、人工衛星を用いた座標値データ(位置情報)のことです。なお、国土地理院はこのデータについて、「日本列島の広域的な地殻変動を把握し、地震や火山活動に関する調査研究に役立たせることができる」と語っています。
JESEAはこのデータを独自の方法で解析。地震予測に活用しています。しかし、ときに気象の変化(豪雨、豪雪)などによって、人工衛星から電子基準点が正確な情報を取得できないケースもあります。そこでJESEAではこれらの要因を2つに大別し、データを使用しています。

01
豪雨や豪雪など気象の変化によって、
電子基準点の周辺状況が
変化した場合の対処について

「豪雨や豪雪などの気象の変化」は、人工衛星からのデータ受信に影響をおよぼす事は少ないです。
JESEAでは電子基準点の周辺状況を考慮し、きめ細かくデータをチェックするようにしています。ただし、毎年夏頃には複数の気象的な変化により、電子基準点から得られるデータに異常が発生する場合があります。また、各電子基準点で不定期に実施されるメンテナンスの影響を受け、受信データに変化が生じる場合もあります。その場合でも、JESEAではエラーの有無、メンテナンスの有無を確認し、データを精査したうえで地震予測に使用しています。

02
周辺樹木により、電波の通信障害などが発生した場合の対処について

周辺樹木により、電波の通信障害が発生した場合、計測の不具合が発生していることが確認できた際には、そのデータは使用していません。つまりJESEAでは、信頼に値するデータのみを利用し、地震の予測をしています。なお今後、樹木の影響が少ない日本の準天頂衛星「みちびき」の数も増える予定です。「みちびき」が発する補強信号により、補正精度も向上し、電子基準点データの精度も高まることが期待されます。これにより、「MEGA地震予測」の精度も比例して高まると考えています。

電子基準点データから得られる
「基準点(原点)」について

JESEAの使用している電子基準点の変動値は、日本のある地点を基準点としているのではなく、「地球中心座標系」と呼ばれる、“地球の重心を基準点”としているものです。
「地球の重心」は、地球でもっとも変動の少ない場所です。もし地上のある地点を基準点にしてしまうと、その基準が変動することで、すべての情報に誤差が生じてしまいます。しかし、地球の重心を基準点(地球中心座標系)を使用すれば常に一定となるため、正確に地殻変動を捉えることができるのです。

地球中心座標系とは